前週に記したように散々迷っていたけど、自宅にこもっている釣り人の為に思い切って書いてみようと思う。但し…。
これから記して行く事をきっちり読んだ上で、制作、使用、管理等、全て自己責任で行うようお願いします。
リチウムポリマーバッテリー(以下、リポバッテリー)の取り扱いは、一時報道でも採り上げられた航空機やスマホでの発煙や発火トラブルでも解るよう、制御や取り扱いを間違うと事故にもつながるし、乾電池のように簡単にポンと繋いで使用する事は出来ないので、バッテリーの特性から”お勉強”しなくてはならない。よって今回はそこから記してみようと思う。
■自作のメリット■
リポバッテリーは一般的な鉛バッテリーに対して、言わずと知れた「小型・軽量・ハイパワー」の3点がメリットであり、デメリットは充電と管理に気遣いが必要な点と、高価な点が挙げられる。
但し、価格面で言うと、自作すれば有名メーカー製のように4万円台後半といった投資には絶対にならない。また、通販サイトの評価を見る限りでは信頼性が低いと思われる海外生産の格安製品よりも構造がシンプルな分だけ安心感があるうえ、それよりも更にコストが下がる。
■使えるリポバッテリー(本体)■
バッテリーユニットを制作するにあたって中核になるのが、リポバッテリー本体になる。これには種類がかなりあるが、空撮で活躍するドローンを始め、多くのラジコン機器に搭載されている中の、4S(4セル)というタイプで、定格電圧が14.8Vになるの物が電動リールに使える仕様になる。
リポバッテリー内部の構成は1セルあたり3.7Vで、それが直列で繋がれて3セルなら3.7V×3で11.1Vになり、4セルだと14.8Vになるるという事だ。1セルあたりの最大電圧は4.2Vになり、4セルタイプの最大電圧は当然16.8Vになる。
ここで心配になるのは「リールのモーターが16.8Vに耐えられるのか?」という事だが、ダイワの場合だと取扱説明書には「電源電圧:DC12V~16.8V」とある。シマノの取扱説明書には「ご使用の電源が12V〜14.8V仕様かどうかお確かめください。」とあるが、同社ではリポバッテリーの電力丸を推奨していて、その公称電圧(標準電圧)が14.8Vだから最大電圧は16.8Vあるはずだし、実際に電極に出ている電圧はフル充電で16.7Vあたりというから問題は無い。
当然ながら、モーターはその許容範囲において電圧が高い方がパワーが上がるという事だから、16.8Vの電圧を得た電動リールは最強になる。
電圧についての理解が出来たら、次は容量になる。ボクの場合だと電動リールの取り扱いは、回収時は常にフルスロットルだし、アタリが出た際の前半もフルスロットルで巻き上げる。また、ブッ飛び潮の中で300m近く流す際は距離、回収サイクル共にマックスになるが、それらを考慮すると、シマノ3000番、ダイワ500番クラスで必要な容量は10000mAh(10Ah)以上になる。
10000mAhの容量を確保するには,、容量10000mAhの物を1本用意する他、5000mAhあるいはそれ以上の物を2本用意して電圧が下がると2本目を繋ぎ直す方法と、2本を並列で繋いでトータルの容量を増やす方法とがある。但し、並列の場合は同一メーカー、同一仕様の物を同時購入して状態をそろえる必要がある。(新旧の乾電池を混ぜて使用してはいけないのと同じ理由)
また、容量の他にも気を付けるポイントがあって、それをCレート(シーレート)と言うのだが、これはバッテリー内の電力を1時間で空になるまで使いきる放電能力なので、これが大きいほど大電流を取り出せる事になる。表記として例えば20-40Cとある場合は、通常20Cだが、瞬間的には40Cまで出せる能力があるという事になる。
このCレートは、大きいほど安心できるが、実用面で言うと、「大きい程良い。」まとは言えない。例えば5000mAhの20Cだと5.0(Ah )×20(C)で100アンペアが取り出せるのだが、電動リールはそこまでの大電流を要求しないし、回路付きのバッテリー等のヒューズは30Aがほとんどなので、スペックはほどほどで良い。また、レートの大きい物は高価になる傾向があるので、その点でも求める必要はないだろう。
電力の出力線には端子が取り付けられていて、それにはタイプが色々あるので、選択に困るが、一番多く採用されているのがT 型( Deans T)コネクターになる。予備への切り替えや後々の買い替え時に変換アダプターを購入しなくてはならなくなるので、端子の種類は揃えておいた方が良い。
購入先はAmazonやYahoo!ショッピング等の各通販サイトやラジコンショップになるが、例えばAmazonでの購入だと10000mAhの物で¥10500程、5200mAhが2本で¥8000程になる。だが、これはこのブログの記載時点での価格だ。実際は相場みたいに価格は変化するので、安値の時に買えればラッキーだ。
■充電について■
充電についてはルールがあって、 それを破ると即座に使用不能になったり、破裂したり、最悪の場合は小爆発や炎上となる等、大トラブルが待っている。実は、その事がブログへの記載を躊躇していた理由だ。だが、世の中にはリポバッテリーを積んだラジコン飛行機やドローンが飛び、ラジコン・カーを操縦する小学生だってザラに居る。要は「決まりを守らない」、「イイ加減な扱いをする」という事が危険なのであり、逆を言えばルールや手順を守る限りにおいては安全だと言う事になる。だから、以後のルールや手順を守って充電する事をお願いする。
まず、充電器については、必ずリポバッテリー専用もしくは対応品を使用しなくてはならない。間違って車のバッテリー充電器やニッケル水素やニッカドバッテリー用を使用すると、上段で記した小爆発を始めとした大トラブルや充電不能に陥る事に繋がる。リポバッテリーはエネルギー密度が高いので、配線する際や充電器に繋ぐ際にショートさせると危険であり、これまた大トラブルに遭うので要注意だ。
リポバッテリーの特性として、「過放電と過充電に弱い」という事を念頭に置いて欲しい。
まずは1セルあたり4.2V=トータルで16.8Vが上限になり、それ以上の充電は大トラブルの原因になる。逆に放電は、1セルあたり3.7V=トータル14.8V迄が安全圏になり、緊急的な場合は3.5V=トータル14Vあたりまでは使えるが、下段で示す保管電圧までの早期復帰が求められる。しかし、それ以下の電圧になっても使い続けると、ダメージを受けて「二度と満充電にならない」ならまだしも、「二度と充電できない」状態に陥ってしまうから絶対に忌避するべきだ。
リポバッテリー特有の取り扱い法として、「保管に適した電圧値設定(ストレージ電圧)」が必要で、それが1セルあたり3.8V=トータルで15.2Vになる。この電圧値が一番安定しているという事になり、「高過ぎても低過ぎてもダメ」だが、1セルあたり3.7~4.0Vあれば問題がないそうだ。従って、急な釣行中止に遭ったり、釣行後に電圧が高かったりした場合は放電をしなくてはならず、逆に使い過ぎた場合は充電しなければならない。これが面倒だと思うかも知れないが、大メーカー製品=例えばダイワの場合だと、スーパーリチウム11000WPの商品説明の「長期間ご使用いただくために」に、同様の「保管時は、容量30~50%程度の充電量をお勧めする」と、記しているから、実のところ、扱いとしては同じなのだ。
また、リポバッテリーは自然放電が少なく、鉛バッテリーのように「気付いたら、かなり減っていた」なんて事はほとんど無いので、シーズンオフでの長期保存も安心だ。更にはニッケル水素電池でみられるようなメモリー効果(継ぎ足し充電で電池の容量が減る事)が無いので、安心して充電コントロールが出来る。
■取り扱いについて■
リポバッテリーは高温に弱く、従って高温になる車内への放置や直射日光が当たる場所での保管は厳禁だ。これはリチウムポリマー電池を使った製品全体での禁止事項で、これを守らないと大トラブルが起こってしまう。
寿命については各セルの電圧が大きくバラついたり、満充電時の電圧がトータル16.8Vから大きく下がってしまう場合に判断する。また、それとは別に全体が大きく膨らんでいれば内部にガスが発生しているので、寿命となるが、これは取り扱いが悪いと割と早期に発生するので注意が必要だ。
■充電器について■
充電に際しての、ある種の難しさ?で尻込みをするかもしれないが、これはリポバッテリー専用もしくは対応充電器での充電で解決できる。充電器さえ壊れていなければ4.2V=トータルで16.8Vを超えて充電することはないので、その点では”安心&お任せ”となるのだ。その秘密?はバランス充電と言う仕組みにある。
鉛バッテリーであればプラス・マイナスの端子にワニグチクリップを繋ぐだけで準備OKとなるが、リポバッテリーの場合はそれに相当するメインの電極線のみへの接続だけではなく、バランス端子と言う部分への接続が必要になる。だが、有名メーカー製のリポバッテリーは+-の2極接続対応品が多い。これは内部にバランス充電回路が入っている、もしくは1セルだけでも4.2Vに達すると回路が切れる仕様(急速充電方式)になっているとモノ思われるが、バラした訳ではないので確信は持てない。
電動リール向きの、リポバッテリーの内部は4S(4セル)構成になっていると上述したが、バランス充電の場合はメインの電極線へ大電流を送り込み、どれか一つのセルがフルになると、大電流を止めてバランス端子経由でまだフルになっていないセルに調整充電を行う仕組みになっている。これは、内部のセル同士が直列配線となっているため、「乾電池は新旧を混ぜて使用してはいけない。」と同様の理屈でセル同士の電圧を揃えなくてはならないからだ。
一部にバランス端子のみを繋ぐ充電器も存在する。それらはフル充電までに時間が掛かり過ぎる事がネックとなるが、安価ではある。
バランス充電器でスタンダードなのが「SKYRC iMAX B6」というモデルで、これは¥4000強で購入できるが、ACアダプターが別途必要になる。但し、これをセットして販売している販売店や、ACコードがダイレクトに繋げる別モデルもあり、トータルすると、そっちの方が割安になる傾向がある。また、充電器にはコピー商品も多く、それらは¥3000以下での入手が可能だが、「当たり外れ」があるらしく、評価等を参考にする等、十分な吟味が必要になる。また、4セルに対応していない充電器もあるので、注意が必要だ。
SKYRC iMAX B6や、これと同クラス以上の充電器は、ただ充電するだけではなく、上述の保管電圧まで下げてくれる放電機能(ストレージ機能)が備わっている点が嬉しい。他社製品にも同機能が搭載されている場合も多いが、全てと言う訳ではないので、購入前にチェックしておいた方が良い。もし、非搭載モデルを購入してしまった場合は、別途販売されている放電器を購入しなくてはならない。
具体的な充電方法は充電器付属の説明書や、充電器メーカーのサイト、ラジコン系の各サイトで確認して欲しいが、念のため燃えやすい物の近くや目を離しての充電は避けた方が良いだろう。
以上、この何年間でボクがラジコン関連のサイトや雑誌、もう生産はしていないが某ガレージメーカー製品で勉強したリポバッテリーについての知識だ。だが、(特に)ラジコン関連のサイトを調べると、もっと詳しく、解りやすく解説されているので、もし導入するのなら、そういったモノを含めて勉強し、”自己責任での導入”を実践して欲しい。
以下、~その2へ続く
これから記して行く事をきっちり読んだ上で、制作、使用、管理等、全て自己責任で行うようお願いします。
リチウムポリマーバッテリー(以下、リポバッテリー)の取り扱いは、一時報道でも採り上げられた航空機やスマホでの発煙や発火トラブルでも解るよう、制御や取り扱いを間違うと事故にもつながるし、乾電池のように簡単にポンと繋いで使用する事は出来ないので、バッテリーの特性から”お勉強”しなくてはならない。よって今回はそこから記してみようと思う。
■自作のメリット■
リポバッテリーは一般的な鉛バッテリーに対して、言わずと知れた「小型・軽量・ハイパワー」の3点がメリットであり、デメリットは充電と管理に気遣いが必要な点と、高価な点が挙げられる。
但し、価格面で言うと、自作すれば有名メーカー製のように4万円台後半といった投資には絶対にならない。また、通販サイトの評価を見る限りでは信頼性が低いと思われる海外生産の格安製品よりも構造がシンプルな分だけ安心感があるうえ、それよりも更にコストが下がる。
●自作ユニット、その一群●
■使えるリポバッテリー(本体)■
バッテリーユニットを制作するにあたって中核になるのが、リポバッテリー本体になる。これには種類がかなりあるが、空撮で活躍するドローンを始め、多くのラジコン機器に搭載されている中の、4S(4セル)というタイプで、定格電圧が14.8Vになるの物が電動リールに使える仕様になる。
リポバッテリー内部の構成は1セルあたり3.7Vで、それが直列で繋がれて3セルなら3.7V×3で11.1Vになり、4セルだと14.8Vになるるという事だ。1セルあたりの最大電圧は4.2Vになり、4セルタイプの最大電圧は当然16.8Vになる。
ここで心配になるのは「リールのモーターが16.8Vに耐えられるのか?」という事だが、ダイワの場合だと取扱説明書には「電源電圧:DC12V~16.8V」とある。シマノの取扱説明書には「ご使用の電源が12V〜14.8V仕様かどうかお確かめください。」とあるが、同社ではリポバッテリーの電力丸を推奨していて、その公称電圧(標準電圧)が14.8Vだから最大電圧は16.8Vあるはずだし、実際に電極に出ている電圧はフル充電で16.7Vあたりというから問題は無い。
当然ながら、モーターはその許容範囲において電圧が高い方がパワーが上がるという事だから、16.8Vの電圧を得た電動リールは最強になる。
電圧についての理解が出来たら、次は容量になる。ボクの場合だと電動リールの取り扱いは、回収時は常にフルスロットルだし、アタリが出た際の前半もフルスロットルで巻き上げる。また、ブッ飛び潮の中で300m近く流す際は距離、回収サイクル共にマックスになるが、それらを考慮すると、シマノ3000番、ダイワ500番クラスで必要な容量は10000mAh(10Ah)以上になる。
10000mAhの容量を確保するには,、容量10000mAhの物を1本用意する他、5000mAhあるいはそれ以上の物を2本用意して電圧が下がると2本目を繋ぎ直す方法と、2本を並列で繋いでトータルの容量を増やす方法とがある。但し、並列の場合は同一メーカー、同一仕様の物を同時購入して状態をそろえる必要がある。(新旧の乾電池を混ぜて使用してはいけないのと同じ理由)
●手持ちのリポバッテリー●
また、容量の他にも気を付けるポイントがあって、それをCレート(シーレート)と言うのだが、これはバッテリー内の電力を1時間で空になるまで使いきる放電能力なので、これが大きいほど大電流を取り出せる事になる。表記として例えば20-40Cとある場合は、通常20Cだが、瞬間的には40Cまで出せる能力があるという事になる。
このCレートは、大きいほど安心できるが、実用面で言うと、「大きい程良い。」まとは言えない。例えば5000mAhの20Cだと5.0(Ah )×20(C)で100アンペアが取り出せるのだが、電動リールはそこまでの大電流を要求しないし、回路付きのバッテリー等のヒューズは30Aがほとんどなので、スペックはほどほどで良い。また、レートの大きい物は高価になる傾向があるので、その点でも求める必要はないだろう。
●容量とレートの表示●
電力の出力線には端子が取り付けられていて、それにはタイプが色々あるので、選択に困るが、一番多く採用されているのがT 型( Deans T)コネクターになる。予備への切り替えや後々の買い替え時に変換アダプターを購入しなくてはならなくなるので、端子の種類は揃えておいた方が良い。
●T 型( Deans T)コネクター●
購入先はAmazonやYahoo!ショッピング等の各通販サイトやラジコンショップになるが、例えばAmazonでの購入だと10000mAhの物で¥10500程、5200mAhが2本で¥8000程になる。だが、これはこのブログの記載時点での価格だ。実際は相場みたいに価格は変化するので、安値の時に買えればラッキーだ。
■充電について■
充電についてはルールがあって、 それを破ると即座に使用不能になったり、破裂したり、最悪の場合は小爆発や炎上となる等、大トラブルが待っている。実は、その事がブログへの記載を躊躇していた理由だ。だが、世の中にはリポバッテリーを積んだラジコン飛行機やドローンが飛び、ラジコン・カーを操縦する小学生だってザラに居る。要は「決まりを守らない」、「イイ加減な扱いをする」という事が危険なのであり、逆を言えばルールや手順を守る限りにおいては安全だと言う事になる。だから、以後のルールや手順を守って充電する事をお願いする。
まず、充電器については、必ずリポバッテリー専用もしくは対応品を使用しなくてはならない。間違って車のバッテリー充電器やニッケル水素やニッカドバッテリー用を使用すると、上段で記した小爆発を始めとした大トラブルや充電不能に陥る事に繋がる。リポバッテリーはエネルギー密度が高いので、配線する際や充電器に繋ぐ際にショートさせると危険であり、これまた大トラブルに遭うので要注意だ。
リポバッテリーの特性として、「過放電と過充電に弱い」という事を念頭に置いて欲しい。
まずは1セルあたり4.2V=トータルで16.8Vが上限になり、それ以上の充電は大トラブルの原因になる。逆に放電は、1セルあたり3.7V=トータル14.8V迄が安全圏になり、緊急的な場合は3.5V=トータル14Vあたりまでは使えるが、下段で示す保管電圧までの早期復帰が求められる。しかし、それ以下の電圧になっても使い続けると、ダメージを受けて「二度と満充電にならない」ならまだしも、「二度と充電できない」状態に陥ってしまうから絶対に忌避するべきだ。
リポバッテリー特有の取り扱い法として、「保管に適した電圧値設定(ストレージ電圧)」が必要で、それが1セルあたり3.8V=トータルで15.2Vになる。この電圧値が一番安定しているという事になり、「高過ぎても低過ぎてもダメ」だが、1セルあたり3.7~4.0Vあれば問題がないそうだ。従って、急な釣行中止に遭ったり、釣行後に電圧が高かったりした場合は放電をしなくてはならず、逆に使い過ぎた場合は充電しなければならない。これが面倒だと思うかも知れないが、大メーカー製品=例えばダイワの場合だと、スーパーリチウム11000WPの商品説明の「長期間ご使用いただくために」に、同様の「保管時は、容量30~50%程度の充電量をお勧めする」と、記しているから、実のところ、扱いとしては同じなのだ。
また、リポバッテリーは自然放電が少なく、鉛バッテリーのように「気付いたら、かなり減っていた」なんて事はほとんど無いので、シーズンオフでの長期保存も安心だ。更にはニッケル水素電池でみられるようなメモリー効果(継ぎ足し充電で電池の容量が減る事)が無いので、安心して充電コントロールが出来る。
■取り扱いについて■
リポバッテリーは高温に弱く、従って高温になる車内への放置や直射日光が当たる場所での保管は厳禁だ。これはリチウムポリマー電池を使った製品全体での禁止事項で、これを守らないと大トラブルが起こってしまう。
寿命については各セルの電圧が大きくバラついたり、満充電時の電圧がトータル16.8Vから大きく下がってしまう場合に判断する。また、それとは別に全体が大きく膨らんでいれば内部にガスが発生しているので、寿命となるが、これは取り扱いが悪いと割と早期に発生するので注意が必要だ。
■充電器について■
充電に際しての、ある種の難しさ?で尻込みをするかもしれないが、これはリポバッテリー専用もしくは対応充電器での充電で解決できる。充電器さえ壊れていなければ4.2V=トータルで16.8Vを超えて充電することはないので、その点では”安心&お任せ”となるのだ。その秘密?はバランス充電と言う仕組みにある。
鉛バッテリーであればプラス・マイナスの端子にワニグチクリップを繋ぐだけで準備OKとなるが、リポバッテリーの場合はそれに相当するメインの電極線のみへの接続だけではなく、バランス端子と言う部分への接続が必要になる。だが、有名メーカー製のリポバッテリーは+-の2極接続対応品が多い。これは内部にバランス充電回路が入っている、もしくは1セルだけでも4.2Vに達すると回路が切れる仕様(急速充電方式)になっているとモノ思われるが、バラした訳ではないので確信は持てない。
●電極線(右)と、バランスコネクター線(左)●
電動リール向きの、リポバッテリーの内部は4S(4セル)構成になっていると上述したが、バランス充電の場合はメインの電極線へ大電流を送り込み、どれか一つのセルがフルになると、大電流を止めてバランス端子経由でまだフルになっていないセルに調整充電を行う仕組みになっている。これは、内部のセル同士が直列配線となっているため、「乾電池は新旧を混ぜて使用してはいけない。」と同様の理屈でセル同士の電圧を揃えなくてはならないからだ。
一部にバランス端子のみを繋ぐ充電器も存在する。それらはフル充電までに時間が掛かり過ぎる事がネックとなるが、安価ではある。
●チャージ中の様子●
バランス充電器でスタンダードなのが「SKYRC iMAX B6」というモデルで、これは¥4000強で購入できるが、ACアダプターが別途必要になる。但し、これをセットして販売している販売店や、ACコードがダイレクトに繋げる別モデルもあり、トータルすると、そっちの方が割安になる傾向がある。また、充電器にはコピー商品も多く、それらは¥3000以下での入手が可能だが、「当たり外れ」があるらしく、評価等を参考にする等、十分な吟味が必要になる。また、4セルに対応していない充電器もあるので、注意が必要だ。
●SKYRC iMAX B6(左)とACアダプター(右)●
●HITEC社製 ACダイレクトインモデル●
SKYRC iMAX B6や、これと同クラス以上の充電器は、ただ充電するだけではなく、上述の保管電圧まで下げてくれる放電機能(ストレージ機能)が備わっている点が嬉しい。他社製品にも同機能が搭載されている場合も多いが、全てと言う訳ではないので、購入前にチェックしておいた方が良い。もし、非搭載モデルを購入してしまった場合は、別途販売されている放電器を購入しなくてはならない。
●放電器●
具体的な充電方法は充電器付属の説明書や、充電器メーカーのサイト、ラジコン系の各サイトで確認して欲しいが、念のため燃えやすい物の近くや目を離しての充電は避けた方が良いだろう。
以上、この何年間でボクがラジコン関連のサイトや雑誌、もう生産はしていないが某ガレージメーカー製品で勉強したリポバッテリーについての知識だ。だが、(特に)ラジコン関連のサイトを調べると、もっと詳しく、解りやすく解説されているので、もし導入するのなら、そういったモノを含めて勉強し、”自己責任での導入”を実践して欲しい。
以下、~その2へ続く
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