都月満夫の絵手紙ひろば💖一語一絵💖
都月満夫の短編小説集
「出雲の神様の縁結び」
「ケンちゃんが惚れた女」
「惚れた女が死んだ夜」
「羆撃ち(くまうち)・私の爺さんの話」
「郭公の家」
「クラスメイト」
「白い女」
「逢縁機縁」
「人殺し」
「春の大雪」
「人魚を食った女」
「叫夢 -SCREAM-」
「ヤメ検弁護士」
「十八年目の恋」
「特別失踪者殺人事件」(退屈刑事2)
「ママは外国人」
「タクシーで…」(ドーナツ屋3)
「寿司屋で…」(ドーナツ屋2)
「退屈刑事(たいくつでか)」
「愛が牙を剥く」
「恋愛詐欺師」
「ドーナツ屋で…」>
「桜の木」
「潤子のパンツ」
「出産請負会社」
「闇の中」
「桜・咲爛(さくら・さくらん)」
「しあわせと云う名の猫」
「蜃気楼の時計」
「鰯雲が流れる午後」
「イヴが微笑んだ日」
「桜の花が咲いた夜」
「紅葉のように燃えた夜」
「草原の対決」【児童】
「おとうさんのただいま」【児童】
「七夕・隣の客」(第一部)
「七夕・隣の客」(第二部)
「桜の花が散った夜」
シソは「紫蘇」と書きます。「紫蘇」の蘇はお正月の「屠蘇」の「蘇」と同じで、悪魔という意味です。「屠蘇」の「屠」は葬るという意味で、悪魔を葬るから「とそ」を魔よけとして飲むのです。
「屠蘇散(とそさん)」は、中国三国時代に華陀という名医が十数種の薬草を調合して、酒に浸して飲んだのが始まりといわれています。
ところで、「シソ」は「紫の蘇」と書き悪魔その者のようですが、実は魔よけの植物で、解毒剤の作用もあります。
梅干しを漬ける時にシソの葉を使う場合と使わない場合があります。使わないほうを「白漬け」と言います。何故シソを使うのかというと、梅の赤を際立たせるなめの着色剤として用いたのです。
別にシソの葉を使ったほうが、梅干しそのものの効果を高めるわけではありません。「白漬け」の梅干しとなんら中身は変わらないのですが、日本人の美的感覚なのでしょうか、より赤く、美しく見える梅干しのほうが、食欲をそそると考えたのでしょう。
このほかの理由としては、前に述べたシソ自体が持つ解毒作用を、梅干しの酸と塩分を利用して、保存したのでしょう。
「日の丸弁当」の梅干しは、単にご飯が腐るのを防ぐというだけでなく、米の酸を中和させるという大切な働きもします。
梅干しは、日本にしかない、日本人が発明した超合理的、近代的食品といわれるゆえんがここにあります。
つまり、米食中心の日本人にとって、ご飯は、からだの中で酸性に変わってしまうため、これを中和させる中和剤として、アルカリ性の梅干しは大事な役目を果たしてきたのです。
因みに、だいたい茶碗二杯のご飯を、梅干し一個で中和してしまいます。
昔に人が、こうした梅干しの効能を科学的にとらえていたとは考えられませんが、生活の知恵によって生み出された、最高の発明食品といえるでしょう。
そして、ご飯の白に対してより赤い梅干しを作り出した、日本人の美的感覚もすてたものじゃありません。
なお、「梅干し(うめぼし)」とは、ウメの果実を塩漬けした後に日干しにしたもので、漬物の一種です。塩漬けのみで日干しにしていないものは、「梅漬け」といいます。
考えてみれば「梅干しを漬ける・・・」は、おかしいですね。梅を漬けて梅干しを作るのですから・・・。
したっけ。