都月満夫の絵手紙ひろば💖一語一絵💖
都月満夫の短編小説集
「出雲の神様の縁結び」
「ケンちゃんが惚れた女」
「惚れた女が死んだ夜」
「羆撃ち(くまうち)・私の爺さんの話」
「郭公の家」
「クラスメイト」
「白い女」
「逢縁機縁」
「人殺し」
「春の大雪」
「人魚を食った女」
「叫夢 -SCREAM-」
「ヤメ検弁護士」
「十八年目の恋」
「特別失踪者殺人事件」(退屈刑事2)
「ママは外国人」
「タクシーで…」(ドーナツ屋3)
「寿司屋で…」(ドーナツ屋2)
「退屈刑事(たいくつでか)」
「愛が牙を剥く」
「恋愛詐欺師」
「ドーナツ屋で…」>
「桜の木」
「潤子のパンツ」
「出産請負会社」
「闇の中」
「桜・咲爛(さくら・さくらん)」
「しあわせと云う名の猫」
「蜃気楼の時計」
「鰯雲が流れる午後」
「イヴが微笑んだ日」
「桜の花が咲いた夜」
「紅葉のように燃えた夜」
「草原の対決」【児童】
「おとうさんのただいま」【児童】
「七夕・隣の客」(第一部)
「七夕・隣の客」(第二部)
「桜の花が散った夜」
ウサギは野山の中でももっともおとなしい動物のひとつです。敵と戦うための牙も角もありません。狐や狸、鷹などに襲われると助かる術はありません。せいぜい、夏は茶色、冬は白と体色を変えて発見されないようにするくらいしかありません。なんとも心細い防衛力なのです。
それだけに、敵の動向を敏感にキャッチする必要があります。敵が近づいてくると、すぐに身を隠し、他の動物が逃げる気配があれば一緒に逃げなくてはなりません。ウサギの最大の防衛力はいち早く危険をキャッチすることなのです。そのために、わずかな物音ももらさず聞き取るために長く伸びたといわれています。
耳は音を聞くための器官です。それはウサギの耳も人間の耳も同じです。人間の耳はウサギの耳ほど大きくはありません。小さくても、人間の耳は音を聞き取ることができます。
ウサギも音を聞くためだけなら、あんなに長い耳は必要ないはずです。キツネなどに追われ藪(やぶ)の中などを逃げるときには、耳は長いよりも短いほうがかえって好都合だと思われます。
人間の耳はもっぱら音を聞くために働いています。しかし、ウサギの耳には、ほかの働きもあるのです。
敵に追われて野山を駆ければ、体温が上がります。人間の場合は、体温が上がると汗を出すことで調節しています。ウサギは体温の調節を耳で行なっているのです。体内に発生した熱は血液によって耳に運ばれ、耳が空気にさらされることで冷やされているのです。
ウサギの耳はいわばラジエターでもある。そのため、耳には網の目のように血管が張り巡らされています。ウサギは走るときには、風をたくさん受けて、冷却機能を高めるために、耳をピンと立てているのです。そのため、長い間走り続けることが出来るのです。
目が赤いのは白ウサギに限ったことなのです。そして「白い」ウサギというのは 実は「毛に白い色素がついている」のではなく 毛にも体にも色素を欠いているウサギなのです。
この「色素欠乏症」のウサギは 透明なはずの毛が 光線で乱反射をおこして 白く見えるのです。
色のないウサギだから目もすき通っているわけで、眼底を流れる血液がすけて見えて赤く見えるのです。
こういうウサギは近代の飼育品種だけだそうです。ノウサギは黒い目をしています。
日本のノウサギは北海道・本州・四国・九州・佐渡・隠岐等に分布しています。 北海道は本州以南のものとは別種の「エゾユキウサギ」ですが、 鳥獣法規では一括してノウサギと称しています。また、本州の中部以北のものは「トウホクノウサギ」以南のものは「キュウシュウノウサギ」 佐渡のものは「サドノウサギ」隠岐のものは「オキノウサギ」と命名されています。
たぶん「オキノウサギ」と思われる神話の「因幡の白ウサギ」は目が黒かったはずです。『古事記』では「稻羽之素菟」と表記されていて、いつの間にか白兎になったようです。「素」とは「裸の」という意味だそうです。
したっけ。