都月満夫の絵手紙ひろば💖一語一絵💖
都月満夫の短編小説集
「出雲の神様の縁結び」
「ケンちゃんが惚れた女」
「惚れた女が死んだ夜」
「羆撃ち(くまうち)・私の爺さんの話」
「郭公の家」
「クラスメイト」
「白い女」
「逢縁機縁」
「人殺し」
「春の大雪」
「人魚を食った女」
「叫夢 -SCREAM-」
「ヤメ検弁護士」
「十八年目の恋」
「特別失踪者殺人事件」(退屈刑事2)
「ママは外国人」
「タクシーで…」(ドーナツ屋3)
「寿司屋で…」(ドーナツ屋2)
「退屈刑事(たいくつでか)」
「愛が牙を剥く」
「恋愛詐欺師」
「ドーナツ屋で…」>
「桜の木」
「潤子のパンツ」
「出産請負会社」
「闇の中」
「桜・咲爛(さくら・さくらん)」
「しあわせと云う名の猫」
「蜃気楼の時計」
「鰯雲が流れる午後」
「イヴが微笑んだ日」
「桜の花が咲いた夜」
「紅葉のように燃えた夜」
「草原の対決」【児童】
「おとうさんのただいま」【児童】
「七夕・隣の客」(第一部)
「七夕・隣の客」(第二部)
「桜の花が散った夜」
秋の味覚といえば、栗を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。さらに、栗といえば「天津甘栗」です。
しかし、「天津甘栗」というネーミングはあまり適切ではないのです。それをは「天津甘栗」は天津産ではないということです。
「天津」は中国の河北省東部の下流域の河港都市の名称です。中国読みでは「天津(テンシン)」ではなく、「天津(ティエンチン)」だそうです。
製鉄や紡績、工業が発展しており、水系の合流点でもあることから貿易の要所として栄えた地域だそうです。
天津甘栗はその名からいかにも天津で収穫された栗だと思われがちですが、実の産地は万里の長城の近くや河北省にある燕山山脈付近で収穫されたものが、特に美味とされています。
つまり、「天津甘栗」の名は栗が出荷される「天津港」からきていたのです。
この栗は中国大陸原産の「支那栗(シナグリ)」と呼ばれる品種だそうです。日本では主に甘栗(天津甘栗)の名前で知られています。中国では「板栗(バンリー)」と称される種に当たるそうです。「日本栗(ニホングリ)」のように渋皮がタンニンによって食用部分に密着しないので、煎ったものを手や器具で剥いて食べるのが容易なのです。
中国産の栗の渋皮がむきやすいというよりは、日本産の栗が世界的に見てもむきにくい特異品種といった方が正しいそうです。
ちなみに「支那(シナ)」の名称は、「秦」に由来します。中国読みは「チン」だそうです。英語の「China(チャイナ)」も同じです。
戦国時代の武将にとって、栗は単なる食糧ではありませんでした。鬼皮と渋皮をむいた「搗栗(かちぐり)」が「勝ち」に通じるとされ、勝利祈願に食べられていたのです。
ここに端を発して今に姿を残すのが、おせち料理の「栗きんとん」なのです。
なお、古典的な「搗栗(かちぐり)」に関しては、『和漢三才図会』に以下のように作り方の記述があるそうです。
「老(ひ)ねた栗を殻つきのまま晒乾し、やや皺(しぼ)んだとき、臼で搗いて殻やしぶ皮を取り去ると、肉は黄白色、堅くて味は甜(あま)くて美(よ)い。また、熱湯に浸したり、火灰に埋めて柔らかくなってから食べるのも佳(よ)い。あるいは食べるとき、1,2顆を掌の内に握り、やや温めると柔らかく、乾果の珍物となる。これを嘉祝の果とするが、それは勝軍利(かちぐり)という言葉が縁起がよいからで、武家では特に尊重する。」
したっけ。