■ 10月1日に公開が始まった映画「はやぶさ HAYABUSA」を早速観てきました。
小惑星探査機「はやぶさ」に課せられたミッションはイトカワ(日本の宇宙開発の創始者、糸川英夫氏にちなんでつけられた名前)に着陸してサンプルを採取し、地球に戻ってくることでした。ちょっと大きめの冷蔵庫くらいの「はやぶさ」の満身創痍の帰還は本当に感動的でしたが、この実話がエンタテイメントに仕立て上げられていました。
西田敏行がちょっと薄めながら釣りバカのハマちゃんキャラで対外協力室室長の役を演じていました。机のひき出しに釣り道具が入っているんじゃないかと。(笑) 漁業関係者との交渉などはハマちゃんそのものでした。
竹内結子が演じた水沢恵には特定のモデルはいないそうですが、これまた三枚目キャラでした。
実在のモデルがいるのかどうか分かりませんが、「はやぶさ」の運用室でパソコンを操作して「はやぶさ」にコマンドを送信する、いかにもパソコンの扱いが超得意といった雰囲気の太ったお兄さんもなかなか味のあるキャラでした。
この手の映画、日本では妙にきっちり堅くなりがちですが、他にも「電車男(何年か前にテレビドラマ化されましたね)」応援団のようなキャラのはやぶさおたくが出てきたり、松村和子のヒット曲 ♪帰ってこいよ(そう、まさに無事帰ってこいよ、というドラマでした)が流れたりして、楽しい作品になっていました。
このように書いてくると喜劇かと思われてしまうかもしれませんが、決してそうではありません。映画では「はやぶさプロジェクト」の全貌を分かりやすく描いていて、科学技術の最先端に関る人たちっていいなぁ、と思わせるに十分でした。チームが一丸となって「はやぶさ」に次々に起こるトラブルを解決していく姿に、涙腺がゆるい中年、涙が出ました。
この秋始めて観た映画はなかなか良かったです。
メモ
『小惑星探査機はやぶさ』川口淳一郎/中公新書
『太陽系大紀行』野本陽代/岩波新書