■ 時々出社前にこのスタバで小一時間読書をする。今朝(27日)、2階のいつもの席で『文庫解説ワンダーランド』斎藤美奈子/岩波新書を読む。
この本には昔読んだ庄司 薫の『赤頭巾ちゃん気をつけて』や田中康夫の『なんとなく、クリスタル』も取り上げられている。どちらも若い人は知らない作品かもしれないが『赤頭巾ちゃん』は芥川賞受賞作。『なんクリ』は文藝賞受賞作で、芥川賞の候補にも挙がった作品。
斎藤さんはこの2作品の解説について、**なぜ同時代の批評家は(あるいは読者は)、『赤頭巾ちゃん』や『なんクリ』の読み方を、そして評価を見誤ったのだろうか。理由はたぶん簡単である。「要するにナメていた」のさ、と断じ(126頁)、替わって、なるほど!な解説をしてみせる。**知識人/大衆という線引きが失効した時代に、自分は知識人としていかに生きていったらいいのか。それが『赤頭巾ちゃん』の命題だった。**(同頁)
これだけズバリ指摘してあると、読んでいて気持ちが良い。明日も続きを読む。