■ 早3月。2月に読んだ本は5冊。小説は1冊も無し。
『「馬」が動かした日本史』蒲池明弘(文春文庫2020)
「馬」に着目した日本史の論考。**タイトルは日本史の本であることをうたっているのに、地理学、地質学めいた話題が思いのほか多くなってしまい、読む方を戸惑わせたのではないかと心配しています。** 著者はあとがき(265頁)にこのように書いているが、私は地理学に言及した部分がおもしろかった。火山エリアの草原が歴史的には馬や牛の放牧地だったということが示され、古墳時代には馬が朝鮮半島に輸出されていたことなども紹介されている。なるほど!と思いながら読み進むことが少なくなかった。
玉ねぎを例示すれば明らかなように、野菜は切り方によって断面のかたちがまるで違う。「日本史」然り。いろんな切り方があり、その断面の様相は様々だ。第三章の章題は「関東―なぜ鎌倉に武士政権が誕生したのか」だが、この章の第一節は「長野県から広がった東日本の馬文化」で、長野県の伊那地方にスポットが当てられている。「馬」を切り口にしなければ馬の産地だった伊那地方の地理的な特徴などが記述されることはなかっただろう。なかなか興味深い論考だった。
『日本思想史』末木文美士(岩波新書2020)
**日本の過去には、パッチワークのようにいろいろな思想が入り交じっているが、(中略)決して無秩序にばらばらにあるものではなく、全体として構造を持ち、大きな流れを描いているのではないか、という仮説のもとに、その全体像を描いてみようとする試論的なスケッチである。**(はじめにⅱ)「馬」の次は「思想」。
『民俗学』宮田 登(講談社学術文庫2019)
民俗学の入門書。**ハレとケ、山民/海民、カミとホトケ、ケガレ、女性と子ども・・・。人々の営みを学として探求するための最重要事項を、初歩から核心まで明快平易に講義。**(カバー裏面の本書紹介文)人々の営みそのものが研究対象の民俗学はおもしろい。
『日本の民俗宗教』松尾恒一(ちくま新書2019)
**古代から現代まで、数々の外来の文化の影響を受けて変容し形成された日本の民俗宗教を、歴史上の政治状況、制度の変遷とともに多角的に読み解く。**(カバー折り返しの本書紹介文)内容がなかなか頭に入らず、最後まで字面を追うだけだった・・・。
『なぜ迷う?複雑怪奇な東京迷宮駅の秘密』田村圭介監修 造事務所編(実業之日本社 じっぴコンパクト新書2017)
先日(2020.02.13)渋谷駅であやうく迷うところだった。過去ログ 以前から渋谷駅は迷路だと思っていたことがこの本を読むきっかけ。この本で取り上げているそれぞれの駅について空間的構造が模式図などで示されているが、私にはまるでエッシャーの絵のよう。やはり東京の駅は迷宮なんだな・・・。
今度上京する機会があり、かつ時間があれば渋谷駅の空間的構造の把握に努めたい。迷宮的渋谷駅探検、おもしろいかも。
そろそろ小説も読みたくなってきた。