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■ 朝カフェで『『松本清張を読む』細谷正充(ベスト新書2005年)を読む。長編、短編合わせて30編を取り上げ、各作品のあらすじを紹介し、解説する清張作品のガイドブック。本書に収録されている作品の大半を読んでいる私にとって、それらの作品をふりかえるのに有用な新書。
**松本清張は、昭和に生き、昭和に殉じた作家であった。清張の小説、清張のノンフィクション、清張の発言。それによって昭和という時代が、どれほど理解しやすくなったことか・・・。松本清張がいたから、昭和は一層、面白くなった。本書を書き終えて、私はそう確信しているのである。**(224頁)本書の最後はこの一文で結ばれている。
私は清張の『砂の器』という実に面白い推理小説を中学生の時に読んだおかげで本好きになった。
細谷氏は好きな長編作品として『球形の荒野』(過去ログ)を挙げている。既に書いているが、私が好きな作品をあえて選ぶと『ゼロの焦点』(過去ログ)。 没後30年近くになるけれど(*1)、清張作品の人気は衰えていない。多くの文庫本が書店に並ぶ。読みたい作品を買い求めて再読しよう。
*1 松本清張:1909年~1992年