1477 富士見町富士見 富士見町消防団第三分団屯所 4柱44型トラス脚
昭和33年4月1日竣工 坂本鉄工所
■ 火の見櫓を通り過ぎて程なく「注意!この先行き止まり!」という表示板があった。国道20号から生活道路に入って一番奥の集落まで来た。このようなことはあまり経験がない。行けるところまで行こう、という気持ちがないとダメなんだろうな。
1475 富士見町富士見花場 3柱66型トラス脚 2023.06.01
もう少し小型だが、同じような姿かたちの火の見櫓が国道20号沿いに立っている。南信では数が少ない3柱型。上の全形写真の柱に定規を当てて、直線部材であることを確認した。柱材の等辺山形鋼を曲げ加工するのは大変だろうが、なだらかなカーブを描いている方が美しく、好ましい。
6角形の見張り台の床面を一部欠きこんで外付け梯子の上端を設置してあるが、その部分にも手すりを付けてある。この手すりがあれば、特に見張り台から梯子に移る場合の恐怖心が和らぐだろう。梯子の上端を見張り台の床面より上まで伸ばしてあればもっと良かったと思う。
1474 富士見町富士見 横吹集落センター裏側 4柱44型トラス脚 2023.06.01
■ 火の見櫓が道路に面していないで、消防団詰所(屯所)などの建物の裏側に建てられているケースはそれ程多くはない。1割にも満たないのではないか。この火の見櫓は、そのような少ない配置例の1基。
国道20号から別れ、生活道路をかなり進んだところに立っている。藤田さんの案内がなければこの火の見櫓を見る機会はなかった、と思う。たぶんこれも坂本鉄工所でつくった火の見だろう。全体の整った姿かたちを見てそう思った。
屋根のてっぺんの避雷針にクモがひっくり返ったような形の飾りがついている。4隅の飾り、蕨手を見て?
珍しい形をしている。なぜ? ごく一般的な蕨手でなく、こんな形にしたんだろう・・・。
理想的な脚、美しいの一言。
やはり坂本鉄工所で製作した火の見櫓だった。昭和38年(1963年)10月1日竣工の還暦火の見。
(再)山梨県北杜市白州町 4柱44型プチ貫通 2023.06.01
■ 長野県富士見町と堺を接する山梨県北杜市白州町の火の見櫓。生活道路のアイストップ。
消防倉庫を正面から見て右側壁面の様子 火の見櫓の柱と交叉ブレースが軒を貫通している。
昭和29年5月20日竣工
■ 富士見町で建設中の小泊Fujiを望遠する。和風でもなく、洋風でもない。これはもうフジモリ風としか形容しようがない。外装は屋根がシワシワ銅板葺きで外壁が焼杉板張り。茅野市出身の建築史家にして建築家の藤森照信さんの作品、フジモリ建築の定番だ。背景の緑に同化してよく分からないが、屋根に木を植えてある。屋根に木を植え、芝を張るのもフジモリ建築。
右側後方に火の見櫓が立っている。大海原に向けて出港しようとしている黒い客船を見守る白い灯台のようではないか。
近くで見ると(*1)屋根に植えたサクラの木や芝張りの様子、白くしっくい(?)で縁取りした開口部に設置した木製の四角い格子窓の様子がよく分かる。煙突まで銅板で包んである。
ロフト部分の急勾配の切妻屋根の棟にも芝を張ってある。これは芝棟と呼ばれ、古い茅葺の民家に見られた棟納めの構法(写真①)。屋根に芝を張ることは縄文時代の竪穴住居から続いていたという説もある(過去ログ)。写真①
群馬県水上町(当時)にて 1979.10.18撮影
小泊Fujiは現在内装工事や設備工事が行われている。今年8月のオープン予定と聞いている。一日一組限定の宿。フジモリ建築の内部見学、居心地体験をしたい。オープンしたら宿泊に行くか・・・。
*1 許可を得て、敷地内に立ち入り外部を見学させていただきました。また、外観撮影およびブログ掲載についても許可していただきました。