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■ 四国遍路に憧れている。また、我が家の菩提寺の宗派・真言宗の開祖、空海のことを知りたいとも思っている。
先日書店で目にして買い求めた『マイ遍路 札所住職が歩いた四国八十八ヶ所』白川密成(新潮新書2023年)を読み終えた。第五十七番札所・栄福寺の住職である白川密成さんの四国霊場八十八ヶ所巡礼の記録。
白川さんはおよそ1200kmの全行程を8回に分け、68日かけて歩いた。この本ではこの8回にそれぞれ対応させた8章で構成している。章の始めに札所や白川さんが利用した宿を載せた地図が掲載されている。地図は分かりやすく、デザインもよい。各霊場の位置関係を把握するのに役に立つ。この地図を参照し、ネットで探した霊場の写真を見ながら、読んだ。
本文からの引用ばかりでは気が引けるので、1か所だけ。
**世界の巡礼の中で、スタートからゴールに直線的に向かうのではなく、遍路のような円環をぐるぐると廻る、いわゆる「回遊型巡礼路」は稀である。** 白川さんは続けて、**〝行く〟ようであり、〝帰る〟ようでもあり、またそのどちらでもないような不思議な道のりが貴重であるからこそ、世界から人々が集まるという新しい遍路文化が開かれようとしている。**(283頁)と指摘している。
なるほど! 確かに、四国遍路は円環構造・・・。
今年、2023年は空海の生誕1250年を記念する年だという。このような年にこの本を読んだのも縁かもしれない。