透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

33会の旅行

2025-01-05 | A あれこれ

 昨年(2024年)1月、33会(*1)の旅行で四国は松山、道後温泉に行った。で、今年は九州は大分県の別府温泉に行くことになった。行先はお盆の飲み会で決まった。歳を取ると、行先に温泉が選ばれるのはなぜだろう・・・。

8日は別府温泉のホテル白菊に泊まることになっている。ネットで調べると、なかなか好いホテルだ。別府駅には14:28に着く。午後3時前にチェックインして、地獄めぐりをすることになっている。あまり時間がない。何か所めぐることができるだろう・・・。行きたい地獄(などと言えるのは別府だけ)は、龍巻地獄、血の池地獄、それから海地獄、鬼石坊主地獄、以上の4つの地獄。一緒に行く仲間の希望も訊きたい。「どの地獄がいい?」って。

翌9日、早起きして、八幡朝見神社に行きたいと思う。ホテルから徒歩で10分ちょっとだろう。この神社には狛犬がいるはず。ビーコンプラザ(設計:磯崎 新)の外観だけでも見たいと思うが、時間的に無理。

別府発9時19分の特急ソニックで小倉、それから門司港へ向かう。門司港駅は重要文化財、ここには洋館がいくつもあるし、門司港レトロ展望室(設計:黒川紀章)にも行きたい。建築好きなぼくには嬉しいところだ。夕食は旧門司三井倶楽部(重要文化財)。二次会は、駅近くの居酒屋か・・・。夜遅くまで飲むことになるだろう。昼食は海峡プラザか?

10日は小倉。小倉城と松本清張記念館。ここは前々から行きたいと思っていたところ。森 鴎外旧居も見たいと思うが、一緒に行く仲間の希望も訊かなくては・・・。小倉城の近くに八坂神社がある。旦過市場はどんなところだろう。帰りは小倉発14時52分、のぞみ。小倉から名古屋までおよそ3時間。新幹線は速い。名古屋で時間があるから、食事をしよう。

別府、門司、小倉でマンホールの写真も撮らなくては。他にも全て撮ろうと思っているものがあるが、今はヒミツ、明かさない。


*1 中学生の時に同じクラスだった親しい友人たちの親睦会。33会は3年3組だったことに因んで付けた名前。随分長い付き合いだ。

33会旅行記録
2006年:京都
2013年:東京
2015年:奈良
2017年:大阪
2019年:松江
2024年:松山


 


原 広司 逝く

2025-01-05 | A 読書日記



『空間〈機能から様相へ〉』(岩波書店1987年3月24日第1刷発行、1989年12月5日第6刷発行) この本を1990年に読んでいる。30年以上経過して、内容を忘れてしまっている。ただ、ヤマトインターナショナルビルは、この本に書かれていることが体現されているんだな、と思ったのではなかったかな。今読んだらどんな感想を持つだろう・・・。そして『集落への旅』(岩波新書1987年)も。こうして読む本が増えていく。

『集落の教え  100』(彰国社1998年)で、タイトル通り、100の教えを示している。なるほどな教え、15と81を載せる。

**幾何学的な形態と不定形な形態、一義的に意味づけられた場所と多義的な場所、明るさと暗さ、荘厳された場所と日常的な場所、古いものと新しいもの等々の二律背反するものを混在せしめよ。また、それらのグラジュアルな変化を混在せしめよ。そして、全域をなめらかに秩序づけよ。**(15 混成系 36頁)

**材料が同じなら、形を変えよ。形が同じなら、材料をかえよ。**(81 材料 168頁)

原さんの建築は上の教えに忠実だ。

『集落の教え  100』の帯の文章を大江健三郎さんが書いている。原さんと大江さんは友人同士で、大江さんの出身中学校を原さんが設計している。建築雑誌に掲載されたが残念ながら手元にその雑誌はない。


大江さんも自身の作品に原さんをモデルにした建築家を登場させている。以下は2008年02月02日に書いた記事だが、すこし手を加えて再掲する。


『揺れ動く 燃えあがる緑の木 第二部』大江健三郎(新潮社1994年)

 この本は大江さんがノーベル文学賞を受賞した直後に出版されて、よく売れたのではないかと思う。第三部の帯には**ノーベル賞作家の最後の小説、完結!**とある。

大江さんはこの小説に荒先生として原さんをモデルにした建築家を登場させている。「あら」と「はら」、よく似ている。

**荒さんは、その独創的な構想を、粘り強くあらゆる細部にわたって実現する建築家だった。** 小説から引用したこの文章は原さんの評価そのものだ。

こんな記述もある。**この土地の民家の建物と集落をイメージの基本に置いて、木造小屋組みの上に和瓦を載せたものだった。** 

こんなくだりもある**教会のために建設しようとしている礼拝堂は、直径十六メートルの真円が基本形です。**(185頁)これは原さんが設計した大江さんの出身中学校の音楽室ではないか。音楽室の直径はどのくらいだろう。

円形は音響的には好ましくない。そこで**荒さんは、かれの建築事務所の費用で、生産技術研究所の同僚の専門家に実験を依頼されました。二十分の一の縮尺模型を作って、実験が行なわれたわけです。**(185頁) この先もまだ続く。こうなれば、この中学校の設計の解説文だ。

作家はこのように実話を小説のなかに取り込む。それが時に問題になったりすることもあるが、この小説を読んだであろう原さんはどんな感想だったんだろう・・・。

原さんは大江さんと同じ88歳で旅立たれた。ご冥福をお祈りします。


 


読み初め本「免疫力を強くする」

2025-01-05 | A 読書日記

420
午後カフェ読書@スタバ笹部店

「書き初め」ということばがあるのだから、「読み初め」ということばがあってもおかしくないだろう・・・。ネットで調べると、あった。意味は新年、初めて読書をすること。年またぎ本は『方舟さくら丸』、読み初め本は『免疫力を強くする』だった。

『新型コロナ 7つの謎 最新免疫学からわかった病原体の正体』宮坂昌之(講談社ブルーバックス2020年)
『ルポ  副反応疑い死 ワクチン政策と薬害を問いなおす』山崎淳一郎(ちくま新書2022年)
『コロナワクチン  失敗の本質』宮沢孝幸・鳥集  徹(宝島社新書2022年)
『免疫「超」入門』吉村昭彦(講談社ブルーバックス2023年)

ワクチンや免疫について関心があり、上掲した本などを読んでいる。

日本で最初のコロナウイルス感染者が確認されたのは2020年1月15日だった。『免疫力を強くする 最新科学が語るワクチンと免疫のしくみ』宮坂昌之(講談社ブルーバックス)はその前年の2019年12月20日に発行されており、コロナウイルスやコロナワクチンについては記載がないのは残念だが、読んでみた。

文章だけだと内容を理解するのが難しいけれど、ありがたいことに本書には理解を助ける図がいくつも掲載されている。例えばヒトの体に備わっている自然免疫機構獲得免疫機構という2種類の免疫システムについて、3枚のプレート(レイヤー)が示され、それぞれ物理的・化学的バリアー、細胞性バリアー(この2枚が自然免疫機構)、細胞性・液性バリアー(獲得免疫機構)となっている。病原体が3枚のプレートを突き抜けてしまうと発症する。各バリアーに説明文がついていて、理解しやすい(などと図を文章で説明しても分かりにくい)。

**免疫学者である私がもっとも自信を持っていえる科学的な免疫力増強法は、本書で繰り返し取り上げた「ワクチン接種」です。現在、存在する医薬品の中では、もっとも確実に免疫力を上げる方法です。**(264,5頁) 免疫力を強くするにはどうすればよいのだろう、と本書を読んだが、その答えがワクチン接種というのは、拍子抜というか、なんというか・・・

いや、さらに読み進めると、次のような記述があった。**こうした薬剤に頼らずとも、免疫力を高める方法は存在します。**(265,6頁)そう、こうでなきゃ。**それは、血管系やリンパ系における細胞の往来をすみやかにする方法です。**(266頁)**往来が悪くなると、免疫応答に必要な細胞が必要な場所に運ばれなくなるために、免疫系の機能が低下するのです。**(266頁)

で、血流、リンパ流を良くするのに有効なのはウォーキングだと、宮坂さんは説く。さらに過度のストレスも免疫力全般を低下させるとも。

日々の生活について。**暴飲暴食を控えて、寒すぎず暖かすぎずの環境の中で節度ある生活をして、毎日、適度な運動をする。**(280頁)
よく言われることが本書の結論。 


『コロナワクチン失敗の本質』宮沢孝幸 鳥集 徹(宝島社新書2022年) 
本書に出てくる用語を例示しておきたい。ADEとワクチン後遺症は気になる。
自然免疫・・・体内に侵入した細菌・ウイルスや体内で発生した異常細胞をいち早く感知して、排除する免疫反応のこと。好中球、樹状細胞、マクロファージ、NK(ナチュラル・キラー)細胞などがこれを担っている。(27頁)
サイトカイン・・・免疫細胞の活性化や抑制をコントロールし、体内の免疫機能のバランスを保つ働きを持つ物質の総称。(29頁)
ADE(抗体依存性感染増強)・・・ウイルス感染やワクチンによって体内にできた抗体が、感染や症状をむしろ促進してしまう現象。(31頁)
ワクチン後遺症・・・新型コロナワクチン接種後に生じた体調不良が長期的に続く状態を指す。(99頁)