透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

映画「鹿の国」を観た

2025-01-23 | A あれこれ


『諏訪の神さまが気になるの』北沢房子(信濃毎日新聞社2020年1月20日初版発行、2021年11月30日第6刷発行)

**ミシャグジが集中的に力を発揮する神事は、厳冬期に行われます。大祝(おおほうり)や神長(じんちょう)は旧暦12月から翌年の3月まで、前宮の下方にあった神殿(ごうどの)(大祝の屋敷)近くの御室(みむろ)と呼ばれる建物にこもって、神事を行いました。御室とは、冬ごもりのために大穴を掘ってその中に柱を立て、棟を高くして萱を葺いた、半地下の竪穴住居に似た建物です。**という記述が『諏訪の神さまが気になるの』にある(同書200頁)。

昨日(22日)岡谷市のスカラ座まで出かけて、ドキュメンタリー映画「鹿の国」を観た。

諏訪盆地と諏訪の湖(うみ)。廻る諏訪の四季。雪降る冬、春の桜、鹿の群れ。諏訪信仰。自然崇拝する諏訪の人びとの暮らし。豊穣の願い。稲作という人の営み。これらのシーンが静かに映し出される。


諏訪大明神本地仏 騎象普賢菩薩像(佛法紹隆寺にて 2022.11.24)

諏訪神仏プロジェクト(2022年)の一環として行われた、佛仏法紹隆寺の住職による神前読経のための経文「諏訪講之式」の復元作業も取り上げられていた。

この映画の見どころは上掲文中、太文字化した御室の中で行われていたという神事の再現。600年も前に途絶えたという神事を断片的な史料を読み解いて再現している。厳かなというイメージからは遠い、笑いの神事。

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同じ座席のチケットが2枚。なぜ? どういうこと?

買い求めたチケットをどこかにしまい忘れてしまい、再発行してもらったから。開映時刻が迫っていたので焦って、しっかり探さなかった・・・。

家に帰って、リックサックのポケットをキチンと探したら出てきた・・・。映画館でも探したけど。こんなことは初めて。数分前に買い求めたチケットをどこにしまったのか覚えていないなんて・・・。


 


岡谷市塚間町の火の見櫓

2025-01-23 | A 火の見櫓っておもしろい




1530 岡谷市塚間町 44〇型複合脚(正面ショートアーチ、他面リング付き丸鋼交叉ブレース)後面ブレース撤去

■ まだまだ見ていない火の見櫓が近場にもある。岡谷市とは塩尻峠で隔てられており、自宅から車で40分足らずであるのにもかかわらず、あまり行く機会がない。昨日(22日)「鹿の国」というドキュメンタリー映画を観るために岡谷まで出かけた。

この映画を上映しているスカラ座という映画館には初めていった。映画館の場所は分かっていたけれど、行き時はカーナビのお世話になった。途中、あれ、遠回りするなぁと思いつつ、素直に従った。すると、火の見櫓が立っているではないか。まだ見ていない火の見櫓だ。映画館までとりあえず行き、車を停めて徒歩で戻ってきて観察した。火の見櫓の末広がる姿は実に美しい。見張り台より大きい踊り場は、南信方面の火の見櫓に多いような気がする。


見張り台廻りにスピーカーがない。スッキリしていて好ましい。見張り台の手すりにもブレースと同じデザインを採っている。4本の柱に方杖を2本ずつ取り付け、見張り台の床を支持している。




踊り場は見張り台と同じ構成にしている。半鐘を設置してある。2か所に設置した半鐘の使い分けをしていたのだろうか、それとも専ら踊り場の半鐘を叩いていたのだろうか・・・。




脚部を観る。道路から見て、後ろ側から梯子に昇り降りするようになっている。で、脚部はショートアーチとし、他の3面は交叉ブレースにしている。ただし手前側のブレースは撤去されている。コンクリート面をよく見ると、もともとブレースがあったことを示す丸鋼の断面が見えていた。


 


木造の参道狛犬

2025-01-23 | C 狛犬

 
 神殿狛犬は風雨にさらされて傷むことがないので木造が多い。一方、参道に鎮座する参道狛犬は青銅や陶器で造られたものもあるが、大半が石造だ。前稿に書いたように、昨日(22日)岡谷のスカラ座へ「鹿の国」を観に行った。その途中で、偶々この狛犬を見かけた。岡谷市の今井十五社神社の参道狛犬、木造だ。はじめて見た。

大きな木の彫刻。後ろ側に設置されている銘板により、地元今井区民、総代会が平成26年(2014年)により奉献されたものと分かった。なぜ、石造ではなく、敢えて木造の狛犬にしたのだろう・・・。

 
一対の霊獣を狛犬と括っているけれど、元々別で、向かって右が獅子、左が狛犬。神殿狛犬の場合、獅子の毛髪は緑青色、狛犬の毛髪は群青色とされている(下掲の日光陽明門の狛犬参照)。この神社の狛犬はこの色を台柱にも塗っている。
  
 
シッポの毛 くるりんちょな獅子、ストレートな狛犬、と変えている。


諏訪地域では小さな祠にも御柱が建てられている。この神社にも建てられていた。
拝殿の左隣、境内社津島社本殿 ここにも御柱。お賽銭箱に諏訪大社の神紋がある。調べてみた。この神社には建御名方神、八坂刀売神はじめ、神社名の通り、15社のご祭神が祀られている。


 
日光陽明門の裏側にいる狛犬には一般参詣者は注目しないかもしれない。(2023.04.14)