■ 松本市の隣、山形村で開催された「道祖神と新そば祭」に行き、申し込んでおいた村内の道祖神巡りに参加しました。参加者は20数人でした。
山形村には双体道祖神が21体あるそうです。今回はその内、7体の道祖神を村のマイクロバスで巡りました。以下、各道祖神を紹介します。
道祖神の説明を聞く参加者
1
「路傍の情熱(一)」と名づけられた道祖神。摩耗していて姿・形がはっきり分かりませんが、蓮の花に乗っていることから、仏教系の道祖神だとわかるそうで、一般的な道祖神とは逆で男が左、女が右になるそうです。
2
本州高遠住石工四良右門兼氏作 と石工の名前が彫ってあります。山形村は江戸時代に高遠藩領だったことから、高遠の石工が彫った道祖神が何体かあるそうで、これもその内の1体だと説明を受けました。石工の名前を彫ってあるものは珍しいそうです。
この道祖神の魅力は「笑顔」、左に立つ女神は娘さんのように若く見えます。にこやかな表情がとてもいいです。
3
昔、アメリカの研究者がこの道祖神の拓本を取って、紹介したことから海外にまで知られた「下大池の筒井筒」と呼ばれる道祖神です。筒井筒は幼なじみという意味だそうです。お互い相手の肩に手を掛け、反対の手で握手をしています。そんなに若そうではありませんね。もっとも神様には歳はないのかもしれませんが・・・。
4
酒樽と名づけられた道祖神 男神の下にあるのが酒樽です。祝言跪座像です。男神は手に杯を持ち、女神は酒器を手にしています。3の道祖神の型は抱肩握手像と呼ばれます。どちらの型が多いのかは覚えていません(説明ではこのことには触れませんでした)。
嘉永2年建立の道祖神ですが、大正12年に手を加えたそうです。像の上、石の左側を少し欠いて
男のシンボルとして形を整えたそうです。説明を聞かなければ分かりませんね。道祖神はオールマイティの神様、子孫繁栄の願いも叶えてくれるということですから、分かります。
5
寛政6年、1796年の建立ということですが、着物の省略表現に因るのかモダンな印象の像です。
6
「豆沢のじじばば」という名前の道祖神です。なるほど確かに両神とも若いという印象ではないです。「ちょっと、じいさん 止めてくださいよ、いい歳をして」 ばあさんの声が聞こえてきそうです。
7
上大池の筒井筒 女神の顔に動きがあります。男神がぐっと引き寄せたところでしょう。石工が下絵(原案)を何枚か描いて村人に説明し、どれにしましょうかと相談して決めたと思われるとの説明を受けました。
道祖神は顔の表情が豊かで皆仲良く寄り添っています。石神石仏の中でも道祖神は地域の人たちに親しまれ、観光客に人気があることも頷けます。
* すでに紹介した道祖神もあります。再び本稿に載せました。