透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

JIS型マンホール蓋の模様

2016-07-03 | B 地面の蓋っておもしろい

 下水道に使用するマンホール蓋及び枠の仕様については1958年(昭和33年)3月29日に制定されたJIS A 5506(下水道用マンホールふた)で規定された。この時、1915年(大正4年)に東京市下水改良事務所により定められていた模様(東京市型と呼ばれる模様)が参考として示された(以上にわか勉強で得た知識)。どうやら参考として示された東京市型模様がJIS型マンホール蓋の模様としてそのまま定着して今日に至っているようだ。


付図2から蓋には井桁状の補強リブがついていることが分かる。また付図3に示されている枠の断面図から直径600(60cm)
の有効開口であることが分かる。また、下に示した付図2の備考2に**模様、紋章及びガス抜き孔は、参考として示したもので規格の一部ではない**とある。模様にはJISの規定による制約はない、自由だというこになる。だから、いろんなデザイン蓋ができた、ということ。 


ここで先日塩尻市内で撮ったマンホール蓋を改めて見てみる。この蓋はマンホール蓋愛好家の間で「JIS規格模様」と呼ばれている模様(地紋)を基本とし、真ん中に塩尻市章を入れ、その下に汚水という文字を入れている。





マンホール蓋には黄色く示した3つの同心円があり、バウムクーヘンを等分するように、外側はオレンジ色の線分で示した通り、14等分している。内側は8等分でそのうちの2ピース分に汚水と入れている。

なぜ外側が14等分で内側が8等分なのか? という疑問がわく。これは一体いかなる理由によるのか。16等分と8等分なら外側と内側が揃って並ぶのに・・・。

3つの同心円の一番外側の円を14等分した円弧の長さと2番目の円を8等分した円弧の長さがほぼ等しくなる()けれど、それって関係ないかな・・・。

一番内側の円の直径を仮にRとすれば、目測で2番目が3R、外側の円が5R。で、2番目の円を8等分した円弧の長さと外側の円を14等分した円弧の長さの比は計算が間違っていなければ1:0.952となってほぼ等しい。外側の円を16等分すれば、比は1:0.833となる。


 
オレンジ色の線分と黄色の円弧に囲まれたピース(左の写真参照)を構成単位としてマンホール蓋の模様がデザインされている。で、これも「繰り返しの美学

 
この構成単位のデザインだが、はマンホール、そこから左右と上に出ているは本管ではないかと私はふと思ったのだがどうだろう・・・。

で、気になるのはJIS規格模様のもとになった東京市型模様をデザインしたのは誰?ということ。

東京市の下水道の基本計画に関わった中島鋭治という人だという説があるようだが、どうもこの人ではないらしい。だが、仮にやはり基本計画に関わった技術系の人がデザインしたとすれば、この分割数に理由があるかもしれない。もっとも、技術系の人が恣意的なデザインをしないこともないだろうが・・・。

どんな趣味の世界もディープ! この世界にも出口がなさそうな予感。


 


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2 コメント

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小ネタにグッドなマンホール (のぶ)
2016-07-03 20:55:35
ご無沙汰です。
近頃のマンホール記事、楽しく拝見してます(^^;
マンホール蓋は観光ガイドの際の小ネタにピッタリで、
やはりこれを追っかけ(?_)している仲間もいます。
自分はあまり詳しくないですが、それでも旅先では
現地のマンホールの模様を見るのが楽しみです。

今日の最新記事はそんな小ネタの雑学に役立ちそうですね。
いただきます(^^)
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のぶさんへ (U1)
2016-07-04 05:48:00
コメントありがとうございます。
久しく会っていませんね。お元気ですか?

火の見櫓の脚元の防火水槽の蓋に気がついて
そこからディープな世界に迷い込んでしまいました。


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