■ 「研精覃思」と書かれた書碑、左端に彫られている秋艸道人はこの書を書いた會津八一の号。この碑は長野県朝日村の中央公民館の前庭にあります。なぜ朝日村に會津八一の碑が?
先日、塩尻短歌館の受付で見かけた「短歌のふるさと」という短歌館通信に會津八一の特集号がありました。本稿はその特集号「塩尻短歌館通信 短歌のふるさと VOL.34(平成20年9月25日)」を参考に書いています。
會津八一は当代一流の歌人、書家、美術史家、教育者(早稲田大学教授)として知られています(同特集記事)。
八一は地方ではあまり講演をしなかったそうですが、窪田空穂らの口添えもあって朝日村での講演会が実現したそうです。昭和5年のことでした。随分昔の出来事です。
講演はその年1回限りのはずが、村の聴講者の情熱に打たれ4年間、4回も続いたそうです。手元にある別の資料によると、講演は毎年秋に行われたそうです。こんな田舎にこれほど熱心に講演を聴く人びとがいるとは・・・、八一はそう思ったのでしょう。
講演記念として八一が贈った書額「研精覃思」、けんせいたんしの意味は詳しく調べて内容を深く思索することだそうです。書碑は朝日村會津八一先生の会によって昭和50年に建立されたと碑の裏にありました。
**朝日村が會津八一の学術講演を受容するにふさわしい土地であり、八一の学術的生涯を育てるポイントになったと言えるのではないか。**と記事は結ばれています。
市町村役場の前庭などに書碑が建っているのを見かけることがありますが、今まであまり注目したことなどありませんでした。でも、このように由来を知ると興味がわいてきます。
同じ場所にもう一つ気になる歌碑があります。それについてもいつか調べてみたいと思います。
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