透明タペストリー

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「日常の絶景」

2022-01-13 | A 読書日記

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『日常の絶景 知ってる街の、知らない見方』八馬 智(学芸出版社2021年)

 目の前に広がる風景の何のどのような状態(様子)に注目するか。注目するものが違うと浮かび上がる風景も違う。本書はこのことを示す解説付きのカラー写真集。外壁に設置された空調屋外機や自販機の脇に設置されたリサイクルボックス、露出している設備配管やダクトなども見方によっては「絶景」になると著者は説く。絶景かどうかはともかく屋外機が外壁に何台も取りついている様はなかなか「おもしろい」。

私も上記のようなことに気がついていて、風景や建築を構成する要素が直線的にあるいは平面的に繰り返される様に注目してそこに美を感じ、「繰り返しの美学」と称してこのブログで紹介してきた(下の写真はその一例)。

この本の表紙(カバー)の写真からも、繰り返しの美学的風景が見える。2枚の内の下の写真、港の風景の消波ブロックが直線的に並ぶ様子やその後方の水産関係の建物のトップライトや屋根スラブを支える梁や柱の繰り返しに美を感じる。上の写真のクレーンが立ち並ぶ様もゆるやかに秩序づけられた繰り返しの美学的風景だ。



原 広司設計の京都駅ビルの繰り返しの美学な南壁面 単純な繰り返しにはしないという原美学 撮影日2013.11.16


マーチエキュート神田万世橋 繰り返しの美学な風景 撮影日2013.12.14


木曽平沢の町屋 撮影日2015.03.07

『日常の絶景 知ってる街の、知らない見方』 同じような見方をする人がいるんだなぁ。


 



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