1175
千曲市八幡 3脚4〇型 撮影日190501
すぐ近くを篠ノ井線が通っている。火の見櫓を見ている時、特急しなのが通過していった。
じっくり見ないとフレームの構成が分からない。分かりやすいように補助線を引く。
―― 柱
―― 柱上端を繋ぐ水平部材
―― 方形(4角錐)屋根の下り棟(稜)
―― 屋根を補強する水平部材
1175
千曲市八幡 3脚4〇型 撮影日190501
すぐ近くを篠ノ井線が通っている。火の見櫓を見ている時、特急しなのが通過していった。
じっくり見ないとフレームの構成が分からない。分かりやすいように補助線を引く。
―― 柱
―― 柱上端を繋ぐ水平部材
―― 方形(4角錐)屋根の下り棟(稜)
―― 屋根を補強する水平部材
1174 千曲市稲荷山 3脚4〇型 撮影日190501
■ 千曲市稲荷山から麻績村経由で帰ることにして麻績村役場を目的地に設定、カーナビ嬢に案内をお願いした。国道403号は聖湖を通る山道、以前一度通ったことがある。
途中この火の見櫓と出合った。周囲には古くからあるような集落が無く、よく分からない立地だ。3角形の櫓に4角形(4角錐)の屋根という変則的な組み合わせということ以外はこの日(0501)見た火の見櫓とよく似ている。
何度も同じことを書くが、デザインはトータリティが大事だ。和服を着て靴を履くということはしないし、中華料理を洋食器には盛り付けないように、相応しい組合せが何にでもある(何か特別な意図が無い限り)。火の見櫓の飾りも然り。この火の見櫓の屋根頂部の飾りと蕨手、手すりの飾りは共に細い丸鋼でつくられていて、形もよく似ている。これは好ましい。
同じモチーフを繰り返し使ってある。この様子を見て感じる心地良さ、美しいと思う気持ちは「繰り返しの美学」に通じるのであろう。
1173 長野市篠ノ井 4脚4〇KP型 撮影日190501
■ 稲荷山養護学校の近くの火の見櫓を見てからこの火の見櫓に移動する時、泣きたくなるくらい狭い道を通った。クランクしているところではブロック塀と電柱にかなり大きな傷がついていた。何とか車に傷をつけることなく、通過することができた。 雨が激しく降っていたので、背景の山も火の見櫓もいまひとつ鮮明に写っていない。晴れていれば山がきれいだっただろうに・・・。
スレンダーな火の見櫓だ。
見張り台の手すりとKPの手すりの飾りのデザインが同じ。デザインの統一性って大事、これホント!
1172 千曲市稲荷山 稲荷山養護学校近く 3脚4〇型
■ ようやくカーナビに設定した目的地、稲荷山養護学校に着いた。「もう少し私の案内通りに走ってくださいネ」 Kさんの口調に似たカーナビ嬢の声が聞こえたような気がした。案内を終了してやれやれといったところだろう。
また、雨が強く降り出していて、火の見櫓に近づくことをためらった。
重たそうな4角錐(方形)の屋根を載せている。支える柱が4本ではなく、3本という変則的な組み合わせだ。屋根のてっぺんに飾り付きの避雷針がすくっと(なんということだ、他にこの様子を形容することばが浮かばない)立っている。
シンプル、スッキリ。このような手すりも好い。消火ホースを掛けるフック棒を支える方杖、これもシンプルで好い。 Less is more. 建築家、ミースのことばが浮かぶ。
令和初日(0501)に見た火の見櫓の脚部はこのようながに股が多かった。
こちらが美脚
1171 千曲市稲荷山 千曲市ふる里漫画館 4脚4〇KP型
■ 前稿の火の見櫓を見た後、進路に迷ったが、勘を頼りに進んでこの火の見櫓と出合った。前もって所在地を調べてしまうと、「あ、あった!」という喜びが無い。県内の火の見櫓巡りではできるだけ下調べをしないで出かけることにしている。
この背の高い火の見櫓は千曲市ふる里漫画館の敷地の一角、道路沿いに立っている。新緑の里山を背景にシルバーの火の見櫓が映える。天気が良くないので、色が冴えてはいないが。
中間にある踊り場はバルコニーのように櫓の1面から持ち出されたカンガルーポケット。こうすると櫓の内部に踊り場を設けるよりも梯子をより傾斜させることができるというメリットがあるだろう。櫓の全周に張り出すより簡易なつくりで、経済的というメリットも。中南信地域にこのような合理的と思われる型の踊り場がない(と言い切って良いのかどうかわからないが)のはなぜだろう。「火の見櫓、かくあるべし」火の見櫓の型に対するこだわりがあった、ということなのかもしれない。
櫓の外側に設置した梯子から櫓内部に入り込むための開口部、この火の見櫓ではΛ形に直線部材を設置している。水平部材(横架材)の間隔が広いから、これでも消防団員は支障なく内部に移動することができる。脚部を見ると1面だけ、ブレースではなく、アーチ部材を用いて開口を設けている。梯子の掛け方からして、4面すべてブレースを設置しても支障ないのに、なぜこのようにしたのだろう。梯子の掛け方を途中で変えたのかもしれない。合理的な理由が見つからない。
1169 千曲市稲荷山 元町公民館 4脚4〇型 撮影日190501
■ カーナビ嬢の案内を無視してあちこちまわり道をしたが、ようやく稲荷山に着いた。
直線的に逓減する櫓、方形(ほうぎょう)の屋根、そして円形の見張り台。下にはらんだ方杖。櫓の上半分はリング無しの交叉ブレース、下半分はリング付きの交叉ブレース、そしてがに股。
時には下から見上げるアングルも。円形の見張り台に放射状の床下下地。
丸鋼ブレースの端部もガセットプレートとリベット接合している。
1168 千曲市桑原 桑原地区農業研修センター 4脚4〇型 撮影日190501
■ 小雨が降り続いていて一向に止む気配がなかったが、火の見櫓巡りを続けた。
見張り台に5つのスピーカーが設置されているが半鐘が残されているだけましか。小さなプレートが取り付けてある。なんて書いてあるのだろう。
スピーカーが自治宝くじの助成を受けた備品ということのようだ。
脚部は建物に囲まれていてその全形を撮ることが出来なかったが、こんな様子。アーチ部材の形によって脚部の印象がずいぶん変わる。ロープで囲ってある。立ち入り禁止、ということだろう。
1167 千曲市桑原 3脚4〇型 撮影日190501
■ 雨足が強くなる。カメラを上に向けるとレンズに雨粒が付く。令和初日は「火の見櫓巡り」と決めていたので出かけてきたが、控えるべきだったかな。
全形写真を見ると外付け梯子が歪んでいることが分かる。櫓も歪んでいるかな。8mくらいはありそうな見張り台までこの梯子を登るのは怖いだろうなぁ。全て平鋼の交叉ブレースを使っている。
3本の柱で4角形の屋根を支えるというのは見た目にも不安定で、落ち着かない。
看板が立て掛けてあって分かりにくいが、脚の付け根にはアーチ部材ではなく、下側を円弧状に切り取ったプレートを用いている。これだけで印象が変わる。
1166 千曲市八幡 峯公民館 4脚4〇型 小屋貫通 撮影日190501
■ この火の見櫓は山裾にあり、遠くから見えていた。後方を長野道が通っている。勘を頼りに適当に狭い生活道路を進んで迷うことなく到達できた。冬の積雪時や路面凍結時の通行は大変だろうな。
傾斜地に何とか敷地を確保したという様子で、火の見櫓は消防倉庫を貫通している。久しぶりの貫通櫓だ。
屋根と見張り台の姿は前稿の火の見櫓とよく似ている。
傾斜地のために十分な広さの敷地が確保できない。この様子を見ると貫通櫓にする理由が分かるような気がする。
踊り場まで消防倉庫の妻側に梯子を掛けてある。踊り場部分の櫓の構成を見ると、梯子を掛けていない面に開口を設けるためのアーチ部材を用いている。上部の梯子の位置などから、梯子を掛ける位置を変更したと考えられるがどうだろう。
■ 10連休6日目。休日に挿まれた平日は休日すると祝日法で決まっているようだ。で、今日(2日)はオセロ休日。
千曲市の戸倉上山田温泉を抜け、国道18号を北上する。カーナビ嬢の案内を無視して市内を巡る。遠くに火の見櫓が見えるとその場所に向かって適当に進む。
1165 千曲市八幡 4脚4〇型 撮影日190501
火の見櫓全体の形が整っていて、見張り台にスピーカーも無く、見ていて気持ちが良い。
屋根と見張り台、それぞれの形が整っていてバランスも良い。見張り台の床面開口の上部を見ると柱に水平部材を3方につけて安全対策をしてある。
櫓の中間部を見る。外梯子から櫓の中に入る開口の様子。この1面だけ構成がイレギュラーしている。下から上の梯子への切り替え箇所はこのような構成が人の動きに素直に対応していると言える。
脚部。がっしりと櫓を支えているということが伝わってくる。
■ 筑北村と千曲市が境を接している自治体だとは知らなかった。両自治体はかなり離れている、と思っていたが、地図を見ると確かに境を接している。県道55号は坂上トンネルを抜け千曲市に入ると千曲川に向かって標高を下げていく。千曲市で最初に出合ったのがこの火の見櫓。坂道沿いに立っていた。
1164 千曲市上山田 3脚3〇型 撮影日190501
遅咲きの八重桜を手前に入れて撮ってみた(ただそれだけ)。
反りのついた3角錐の屋根。頂部には蝶の口吻を思わせる飾り、下り棟の先に蕨手。表面がつるりんちょ(平滑)な半鐘、よく見ると半鐘と記したラベルが貼ってある。
円形の見張り台、手すりの飾りの〇はよく見かける一般的なデザイン。梯子の先はもう少し上まで伸ばしておいて欲しかった。
踊り場は東信、北信方面でよくあるカンガルーポケット型。
脚部を見る。アーチ部材を柱脚まで伸ばしてあるのは好ましい。
近くのバス停は「八坂火の見前」。バス停の名称になっているということは火の見櫓の存在がそれなりに意識されているということ。
以前長和町で見たバス停「有坂火の見前」
■ 令和初日は朝から雨模様ではあったが、予定通り火の見櫓巡りを決行した。目指したのは千曲市。JR篠ノ井線の姨捨駅から篠ノ井駅辺りを通る時、列車の窓外に何基も火の見櫓が立っているのが見える。いつかこの辺りの火の見櫓巡りをしようと思ってはいたが、今までその機会がなかった。
千曲市にある稲荷山養護学校を行き先にカーナビ嬢に案内を頼む。国道19号をひたすら走っていくと思いきや、カーナビ嬢は聖高原を通るルートを案内し始めた。これを拒否して、県道55号で戸倉上山田温泉を目指す。このルートは初めて。
今日は14基の火の見櫓と出合ったが、最初がこれ。
1163 東筑摩郡筑北村坂井 3脚66型 撮影日190501
軒先に蕨手が無いのはなんとなく物足りない。
ブレースはリングを介してはいても直線状になっているのが一般的だが、これはそうなっていない。
■ 30年余り続いた「平成」が終わり、新たな時代「令和」が始まった。
令和初日(5月1日)の早朝、「ひまわり」を観た。 この映画を初めて観たのは、いつ、どこでだろう・・・。
1970年に公開された「ひまわり」は戦争で引き裂かれた若い夫婦の悲劇を描き、戦争の悲惨さを訴えている。
戦闘シーンが出てくるわけでもない。広大なひまわり畑、ヘンリー・マンシーニの哀愁漂う主題曲、ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニが演じる若い夫婦がいかに戦争が残酷なのもであるかを観る者に訴える。
出征する夫・アントニオ(マルチェロ・マストロヤンニ)を見送った時と同じホームに立ち、発車する列車をジョバンナ(ソフィア・ローレン)は涙で見送る。二度と会うことのない別れ・・・。このラストシーンに涙、涙。
令和が平和な時代であることを願う。