■ 2012年(平成24年)に始まった「本の寺子屋」。その本年度最初の講演会を今日(19日)の午後塩尻のえんぱーくで聴いた。講師は作家の三田誠広さんだった。
三田さんは『僕って何』で1977年(昭和52年)に芥川賞を受賞している。今から40年以上も前のことだが、当時私は僕は芥川賞受賞作品が単行本になると買い求めて読んでいた。
カオスな書棚から難なく『僕って何』を探し出すことができた。芥川賞受賞作品の単行本はまとめて並べてあるが、手前に並べた別の本に隠れてしまっている。だが、なんとなくその位置を覚えていたから。
奥付けに昭和五十二年七月二十九日初版発行とある。この作品について江藤淳は三四郎と同じだという評価をしたそうだ。このことを今日の講演で三田さんが語っていた。そしてこの指摘は当たりだと。自宅に帰ってからネットで調べると、中村光夫も同様の指摘をしていた。
この際、「僕って何」と漱石の「三四郎」を再読してみるか。
本年度開催予定の「本の寺子屋」(←HPはこちら)で聴こうと思っている講演は次の通り
7月 7日 外岡秀俊 記者と作家のあいだで
9月29日 藤澤 周 文学なんて、知らなかった。
10月27日 角野栄子 魔法はひとつ
11月17日 鵜飼哲夫 新聞書評と読書
11月24日 穂村 弘 言葉の不思議
3月 8日 堀井正子 人に出会い、ことばに出会う
過去にはこんな企画も。