透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

117枚目 作家の永田浩幸さん

2019-09-14 | C 名刺 今日の1枚



117 

 しばらく前までは自著を刊行することが目的だった。刊行すれば目的達成だと考えていた。だが、今は刊行が新たな出会いに繋がればいいな、と思っている。

先日、季刊誌 いきいきシニアの情報誌「信州りらく」の編集長・入村真理(にゅうむらまり)さんと初めてお会いしたが、きっかけは私の本(と書くのはうれしいような、恥ずかしいような)だった。

今日(14日)、池田町のカフェ 風のいろで永田浩幸さんの取材を受けた。毎月1回発行されるある新聞に永田さんが記事を連載しておられ、11月号で火の見櫓を取り上げていただけることになり、取材を受けたという次第。この取材のきっかけもやはり私の本。

同新聞の9月号には映画監督の(などと書く必要がないかもしれないが)小津安二郎が取り上げられ、小蓼科高原の小津の別荘・無藝荘で過ごしたときの様子などがタブロイド紙1面の縦半分を割いて紹介されている。

永田さんに伺うと、私が紹介した火の見櫓についても同じスペースを割いていただけるのだとか。私の冗長な話がどのような記事になるのか、楽しみにしていたい。 永田さんよろしくお願いします。



取材後に永田さんの著書『わが心のわさびーず』をいただいた。

ああ、ぼくもこんな文章が書けたらいいのに・・・。


 


1216 屋根が撤去された火の見櫓

2019-09-14 | A 火の見櫓っておもしろい


1216 上伊那郡辰野町 4脚無(撤去)4型 写真:Aさん提供  撮影日190908

 この火の見櫓は辰野町の国道153号と県道203号のT字交差点脇に立っているが、Aさん提供の写真には屋根が無い。以前は屋根があった。ではいつ撤去されたのだろう。このことについてもAさんが調べてくれていた。



2018年8月に撮影された県道203号のストリートビューには屋根の一部が欠損した状態の火の見櫓が写っている(写真②)。2019年5月に撮影された国道153号のストリートビューを見ると屋根が無く、写真①の状態になっている。ということはこの間に撤去された、ということになる。 

完全に撤去されなかったことを喜ぶべきだろう。


Aさん、情報提供ありがとうございました。「あ、火の見櫓!」は今月末の刊行です。 

この火の見櫓は国道沿いに立っているので今までにも見ているが、なぜか掲載されておらず、番号もない。今回番号を付けた。


旧鬼無里村のマンホール蓋

2019-09-12 | B 地面の蓋っておもしろい


長野市鬼無里(旧鬼無里村) 後方は1238の火の見櫓 撮影日190908

 長野県の全77市町村を巡り、火の見櫓をバックにマンホール蓋を撮った。だが、合併前の旧町村のマンホール蓋を網羅的に撮ったわけではないので、まだまだ見ていないマンホール蓋も多い。旧鬼無里村のマンホール蓋もその内のひとつ。先日、鬼無里までダムカレーを食べに出かけてきたが、その時、このマンホール蓋を見かけて撮影した。



旧鬼無里村のマンホール蓋は中央にKINASAの文字を入れ、上にモミジ、下にミズバショウを配している。豊かな自然の鬼無里に相応しいデザインだ。


 

 


1215 茅葺き民家と火の見櫓

2019-09-12 | A 火の見櫓っておもしろい


1215 長野市鬼無里日影 4脚4(切妻)4型 撮影日190908

 奥裾花温泉 鬼無里の湯の食堂・大の一で奥裾花ダムカレーを食べて、国道406号を白馬村に向かって引き返した。帰りは長野市街地に出るという選択肢もあったが、遠回りになるし、池田町のカフェ 風のいろにも寄りたかったから。

引き返す途中でこの風景と出会った。行くときは見落としていた。今やほとんど姿を消してしまった茅葺きの民家と火の見櫓のツーショット。このような写真が撮れたことがこの日一番の収穫だった。





柱と水平部材からなるそれぞれの構面に片掛けのブレースを入れている。見張り台の高さは6メートルくらいだろうか。だとすると、この火の見櫓の屋根の頂部までの高さは8.5メートルくらいになるだろう。それ程古くはないと思われる。建て替えたのかもしれない。

こんな風景がずっと残ればいいのにな。


 


1214 長野市鬼無里の火の見櫓

2019-09-11 | A 火の見櫓っておもしろい


1214 長野市鬼無里日影 3脚〇〇型 撮影日190908

 国道406号を長野市街に向かって進む。ここは鬼無里の中心地からかなり奥、ということになる。写真の奥から手前に進んできて、この火の見櫓に気がついた。すぐ近くに電柱が立っているので、ごちゃごちゃしているが仕方がない。

3角形の櫓に落下防止かご付きの梯子を外付けしてある。見張り台につけられた招き猫のロボ手(などと勝手に呼ぶ)は、消火ホースを引き上げるためのもの。妙に存在感があって、見張り台まわりを変わった印象にしている。



見張り台の床は鋼板で、孔がいくつもあいている。雨水排水のために意図的にあけたのか、床面が腐食してできた孔なのか判然としない。孔の位置に規則性が見いだせないから腐食してできた孔なのかもしれないが、本当のところは分からない。



これはかなり古い火の見櫓とみた。





1213 長野市鬼無里の火の見櫓

2019-09-11 | A 火の見櫓っておもしろい


1213 長野市鬼無里日影 4脚44型 撮影日190908

 白馬村から鬼無里(きなさ)に続く国道406号(鬼無里街道)は初めて。急カーブが多い山道だった。鬼無里で初めて目にした火の見櫓がこれ。直線的に逓減していて、アングルの交叉ブレースの櫓はがっちりと硬いイメージ。見張り台と比べて小さい方形(ほうぎょう)の屋根。半鐘は既に無く、隣に防災行政無線柱が立っている。櫓の脚元は正面だけ交叉ブレースを設置しないで出入りできるようにしている。



近づいて見張り台を見上げてびっくり、たぶんスズメバチの巣だと思うが、大きな巣があった。

木造建築で方形の屋根をつくる場合、ごく普通に考えるならたぶんこれと同じ小屋組みにするだろう。


 


1212 北安曇郡白馬村の火の見櫓

2019-09-10 | A 火の見櫓っておもしろい


1212 北安曇郡白馬村神城 3脚66型 撮影日190908

 長野市鬼無里に向かう途中、カーナビ嬢の右折案内に逆らい左折してこの火の見櫓に寄り道した。これはよく見かける姿。屋根が変形しているのが気になる。上の全形写真を見ても直ちに6角形だとは分からない。上方に引き伸ばしたかのようなプロポーション。



下から見上げると確かに屋根は6角形だ。屋根下地が見えない。柱の上端部を屋根の下り棟のところに持っていき、そこで補強下地と接合することが多いが、この火の見櫓は屋根の平(ひら)面にぶつけている。このような取り合いは今までに見たという記憶がない。



トラス柱と外付け梯子



接合部にリベットは使われていない。ブレースの端部はガセットプレートと「引っ掛け接合」。


 


1211 北安曇郡白馬村の火の見櫓

2019-09-10 | A 火の見櫓っておもしろい

 白馬村から鬼無里まではカーナビ嬢の案内に素直に従うことにしたが、神城という地区を走行中にこの火の見櫓が目に入ったので、寄り道した。すみませんとカーナビ嬢に詫びる(これホント)。

頭でっかちな櫓だな、というのが第一印象。体脂肪率一桁ではないか、と思われる細身で筋肉質の体。見張り台と屋根は普通サイズだが、アンバランスに見える。見張り合いの床にキッチリ方杖を突いている。確かにこうしないと安定しないだろう。屋根を見張り台の床から立ち上げた鋼管柱で支えている。


1211 北安曇郡白馬村神城 4脚〇〇型 撮影日190908



半鐘・・・、替わりに教会などにあるベルが使われているのでは。



下から見上げるとこんな様子。木槌で叩かずに、ひもを左右に揺すって音を出していたのだろうか・・・。珍しいものを見た時のワクワク。



見上げると見張り台から上の構成がよく分かる。 



脚元まで等辺山形鋼のブレースでガッチリ固めている。



梯子の側木にリップ溝形鋼(C形鋼)を使っているが、これも珍しい。

火の見櫓は十基十色ではあるが、これはかなりユニークな一基だ。


 


― 北安曇郡松川村の火の見櫓

2019-09-10 | A 火の見櫓っておもしろい

 松川村には人気の観光スポットの安曇野ちひろ美術館があるが、この火の見櫓はちひろ美術館の比較的近くに立っている。8日の日曜日、白馬村経由で長野市鬼無里へダムカレーを食べに出かけた。このことを同僚のMさんに話すと、「それだけのためにわざわざ出かけたんですか」と言われた。趣味とはそういうものですと、開き直るしかない。


(再)北安曇郡松川村 3脚〇〇型 撮影日190908

途中で、この火の見櫓が遠くに見えたので立ち寄った。ダムカレー目的で出かけてもヤグラセンサーは常にONになっているから気がつく。

火の見櫓の多くはこのように道路沿いに立っている。一刻も早く火災の発生を地域住民に知らせるために、交通の便の良いところが選ばれたのだ。



消火訓練の後、消火ホースを干しているのだろう。この様子から、火の見櫓の高さを推測することができる。消火ホースの長さは20メートルだから見張り台の手すり辺りまでの高さがその半分、約10メートル。そこから屋根のてっぺんまで、約2メートルとして、総高は約12メートルとなる。

この辺りは安曇平と呼ばれる平らな地の北のはずれあたり、半鐘の音は遠くまで伝わっただろう(過去形で書かなくてはならないことが少し残念)。





アサガオを思わせる反りつきの円錐形の屋根。てっぺんには避雷針が付いている。



一般にはアングル材と呼ばれている等辺山形鋼の脚。強度的には問題ないのだろうが、単材は見た目には少し心もとない。



櫓を構成する部材の接合部の様子 リベットとボルトを併用した接合。ブレースは端部をガセットプレートの孔に通して曲げただけ(あるいは溶接をしているかもしれない)。私はこれを「引掛け接合」と呼んでいる。


『あ、火の見櫓!』今月末刊行 


奥裾花ダムカレー

2019-09-09 | F ダムカレー

 長野市に鬼無里(きなさ)という桃太郎の出張を必要としない地名のところがある。長野市に合併する前は鬼無里村だった。この地区に奥裾花ダムカレーと裾花ダムカレーを提供している店があることが分かった。で、昨日(8日)に出かけて奥裾花ダムカレーを食べてきた。



ドローンを使わなくても上空からダム全景の俯瞰写真を撮ることができる。

奥裾花ダムカレー諸元 

・ダム型式:重力式ライスダム
・堤体長:約22cm(実測値)
・堤体高:約4cm(実測値)
・堤体幅:約4cm(実測値)
・堤体重量:約250gくらいか 
・総貯ルー量:約150cc(略算値)
・敷地:白い真円 直径約27cm 
・ダム湖の深さ:約1cm(推測値)
・工事費:1200円(税込)
・施工に要した時間:約13分
・竣工検査及び試食に要した時間:約15分 
・味:私は味に関する検査資格を有していないので対象外とする。で、美味かったとだけ検査結果を記しておく。
・その他:素揚げのかぼちゃは奥裾花大橋を、色とりどりの野菜は紅葉の季節の奥裾花ダムの様子を表現しているそうだ。
・施工会社:鬼無里の湯 お食事処大の一
・施工会社の所在地:長野市鬼無里日影8855


入口の様子




 


116枚目 布絵を創作する坂井真智子さん

2019-09-08 | C 名刺 今日の1枚

116 

 池田町のカフェ 風のいろで開催中の坂井真智子 布絵展「裂から紡ぐ―キレからツムグ―」(会期:9月7日~10月8日)を鑑賞してきた。


坂井さんと名刺交換をして、作品などについてお話を伺った。坂井さんは20年くらい前から端切れの布を使って田園風景や山の風景を創作している方。坂井さん独自の技法によって、布が風景と化す。新潟県の田園風景を表現した①の作品、遠景の山並みと麓の集落がリアルに見えるから不思議だ。テクニックだけを身につけただけではここまでの表現はできないだろう。見慣れた風景に美を感じる美的感性が豊かでないと。





②は一目で爺ヶ岳と鹿島槍ヶ岳だと分かる作品。実にリアルに両座の山容が表現されているので驚いた。坂井さんは山小屋で仕事をしたこともある山好きな女性と知り、リアルな山容表現に納得した。漫然と山を見ているだけではここまでの表現はできないだろう。

全く既視感のないオリジナルな作品たちに魅せられた。会期中に出来ればもう一度出かけたい。


坂井さんから作品撮影およびブログ掲載を了承していただいています。


ブックレビュー 1908

2019-09-08 | A ブックレビュー



 8月の読了本は8冊。『日本の思想』丸山真男、『科学入門』武谷三男、『日本の景観』樋口忠彦 この3冊は再読。

『星を継ぐもの』ジェイムス・P・ホーガン/創元SF文庫と『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』フィリップ・K・ディック/ハヤカワ文庫は共に版を重ねているロングセラー。ようやく読むことができた。本はじっと待っていてくれる、何年も何年も。

『日本軍兵士 ―アジア・太平洋戦争の現実』吉田 裕/中公新書 310万人もの日本人犠牲者を出した先の大戦。餓死、海没死、自死。日本兵たちが戦場で強いられたあまりに悲惨な現実。

『舟を編む』三浦しをん/光文社文庫 本屋大賞受賞受賞作 新しい辞書「大渡海」の完成までのものがたり。

**「先生に『大渡海』をお見せすることがかなわず、本当に申し訳ありません。馬締は頭を下げた。奥さんは「まあ、そんな」と首を振る。
「松本は喜んでいると思います。私もうれしい。あのひとのすべてが詰まった『大渡海』を、こうして形にしていただいたのですから」**(320頁)

『大渡海』の完成祝賀パーティー会場で馬締は出版間近に亡くなった監修者・松本先生の奥さんと交わす。奥さんの言葉が印象に残った。 


9月に出合うのはどんな本だろう・・・。

 


色校正

2019-09-07 | H 「あ、火の見櫓!」



 校正って誤字や脱字など、文字の誤りを正すことで、そこに色彩のチェックが含まれていることは知らなかった。今日(7日)担当のT君から色校正をして欲しい旨、電話連絡があった。

私の本は192頁の大半にカラー写真を載せているが、微妙な色の違いなど気にはしていない。確かに写真集などでは微妙な色の違いが気になるだろう。企画からデザイン、製版、印刷まで一連の工程をトータルに自社で行っている会社だけのことはある。
しかもハイビジョン印刷。写真が細密で美しい。



本の完成は今月28日(土)。出版が次のステップに繋がるように、あれこれ考えるのも楽しい・・・。