■ 『慈雨』柚月裕子/集英社文庫。3連休最後の日(16日)の朝、松本市内の書店でこの文庫を手にした。平積みされていなかったら手にすることは無かったと思う。この作家のことは全く知らないし、集英社文庫を読むこともあまりないから。不思議なことに本に声をかけられたと感じるようなことが時々ある。この本もそうだった。
カバーの裏面にこの小説の紹介文があり、冒頭に**警察官を定年退職し、妻と共に四国遍路の旅に出た神場。**とある。四国遍路には憧れる。八十八か所すべての寺院を歩いて回ることができたらいいなと思っているので、続きを読んだ。
**旅先で知った少女誘拐事件は、16年前に自らが捜査にあたった事件に酷似していた。手掛かりのない捜査状況に悩む後輩に協力しながら、神場の胸には過去の事件への悔恨があった。場所を隔て、時を経て、世代をまたぎ、織り成される物語。事件の真相、そして明らかになる事実とは。安易なジャンル分けを許さない、芳醇たる味わいのミステリー。**
ミステリーは好きだ。僕の読書好きは中学生の時に読んだ松本清張の推理小説『砂の器』がきっかけだった。迷うことなく『慈雨』を買い求めた。
カバーの折り返しには作者・柚月裕子さんのプロフィールが写真と共に載っている。受賞歴がすごい。2008年に『臨床真理』で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、13年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞受賞、16年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞受賞。
早速読み始める。この作家の作品とは相性が良さそうだ。