文庫に巻かれた帯の「凄腕の箱館奉行 小出大和守秀実を知っていますか」というキャッチフレーズに惹かれて、この本を手に取った。
「後書き」によれば、筆者森真沙子氏は、ほぼ二十年間を函館で過ごした函館人である。その筆者が「驚いたのは、江戸表から送り込まれる箱館奉行たちが、傑物揃いだったこと」という。これが本書(というか、新シリーズ)を執筆する動機だったようである。
主人公支倉幸四郎は創作された人物であるが、支倉の目を通して筆者が描こうとした小出秀実は実在の人物である。この小説に描かれているように、小出奉行は英国領事と対等に渡り合い、アイヌの人骨盗難事件を解決に導いた。大筋において史実通りである。
小出秀実といい、その跡を継いだ杉浦兵庫頭といい、いや箱館奉行にかかわらず、この時期の幕府には優秀な人材が数え切れないほど存在していた。それでも幕府は崩壊し、命運は尽きた。この事実は、トップマネジメントの舵取りが、組織の存続にとって如何に重要かということを物語っている。
「後書き」によれば、筆者森真沙子氏は、ほぼ二十年間を函館で過ごした函館人である。その筆者が「驚いたのは、江戸表から送り込まれる箱館奉行たちが、傑物揃いだったこと」という。これが本書(というか、新シリーズ)を執筆する動機だったようである。
主人公支倉幸四郎は創作された人物であるが、支倉の目を通して筆者が描こうとした小出秀実は実在の人物である。この小説に描かれているように、小出奉行は英国領事と対等に渡り合い、アイヌの人骨盗難事件を解決に導いた。大筋において史実通りである。
小出秀実といい、その跡を継いだ杉浦兵庫頭といい、いや箱館奉行にかかわらず、この時期の幕府には優秀な人材が数え切れないほど存在していた。それでも幕府は崩壊し、命運は尽きた。この事実は、トップマネジメントの舵取りが、組織の存続にとって如何に重要かということを物語っている。