『やんちゃジジイ・ゆうちゃん』のイカすセカンドライフ

我儘で『やんちゃ』な爺さんの目標は、楽しく生きる事
周りにも笑顔を振りまいて、楽しくセカンドライフを生きる事。

公演後記・『アクシデント・その2』

2016年04月26日 | Weblog

今回の公演ではルパートの演技が笑いを誘いましたね。
ルパート役の渡辺氏は、僕が見る限り演出の要求する芝居をやっているのではなく
どちらかと言うと台本に沿って『素』で芝居をして居る感じでした。

というのも、原作から脚本に落とす際に劇団のメンバーの個性を考慮して
配役を決めているという事が、そうさせているのでしょう。
これに関しては僕も同様で、今回の役は『普段の僕と重なって見えた』
という感想を幾つか頂きました。

このルパートさん。決して器用ではない。
台本に芝居の動きを書き込んで、その通りしか動けない。
ちょっと動きや立ち位置を変えると混乱してしまう御仁です。
逆に、見ての通り不器用な人だから、下手糞な芝居が新鮮で笑いを誘う。
我々が一生懸命に芝居をやっても、結局はルパートさんに全部持って行かれる。
なんとも悩ましい役者さんです。

そのルパートさん、今回も色々とやってくれました。
今回は初日から、明らかにテンパってしまっているのが、皆に判った。
台詞が出てこなかったり、飛ばしちゃったり・・・・
良くあることなのだけれど、今回はいつもに比べ、その頻度が多かった。

台詞で相手役の女性バーバラを、マイケルと呼んでみたり、
僕が別室に籠るシーンでは、着いてきてしまって追い出されたり・・・・
そんな事があったので、舞台裏では舞台担当のスタッフに協力して貰って
僕が消えた途端に、ドアを閉めて貰うようにしたり・・・・
スタッフも笑いながらやってました。

最大のアクシデントは、バーバラが『のどが渇いたのでお水くれない?』
と言って、舞台から一旦退いた時。
小道具で用意していたコップを、どこかに置き忘れて見当たらない。
楽屋まで来て、何やら探しているのだけれど、その間にも芝居は進行している。
モニターでは、水を待つバーバラが『まだぁ?・・・・』なんてアドリブで
時間を稼いでいるというのに、まだ楽屋に居る。

結局、楽屋で水を飲むときに使うプラスチックのコップを持って出たんだけど
そういう処も、『空気が読めない』というか、『融通が利かない』というか
我々には考えられない行動をする御仁です。

もうひとつの『アクシデント』は僕とロジャーのシーン。
芝居の中で、弟ロジャーを殴り倒すシーンで『なぜ、そんな事をするの?』
と、おばあさんのメリーさんが僕のフランクに訊いて、
『弟だからだよぉ・・・・』と、大声で叫ぶ場面。
ここで、観客がシーンとして、場内に緊張が走る・・・・
芝居の中で、一番テンションを高くして、ラストシーンへ向かう場面です。

ところが、日曜日の昼公演の時だけ、叫んだ後にメリーさんが
『あっ、そうなんだ・・・・』と、アドリブの台詞を言ってしまった。
その台詞で場内から笑いが起こった。
それで僕とロジャーは、芝居のテンションがプッツリと切れてしまった。

それでも一瞬間をおいて、再度気持ちを盛り上げた。
これには、若手のロジャーも参って、『きつかった』と後で話して居ました。
笑って欲しくないシーンで笑いが出ることは、良くあるのですが
今回は、不用意なアドリブでの事で僕とロジャーにとっては、
『アクシデント』だったですね。(笑)

コメント
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