今回の公演も、多くのお客様に脚をお運び頂きました。
動員した観客は二日間で900人強、客席の九割は埋まりました。
手前味噌かも知れませんが、素人芝居の公演にしてはまずまずの結果だった気がします。
来て頂いているお客様の半数以上は、リピーター。
出演者の同僚や仕事上での付き合いで、いわゆる『お付き合い』で、
来ている方も居られるかとおもいます。
僕の関係も最初は『お義理』で来てくれた。
素人の芝居を、プロの芝居と比較して観ていたかと思います。
そういうひとは、次の年から来てくれなくなりました。
実際、最初は僕自身もそんな感じで見に行きましたからね。
芝居はお世辞にも上手いとは言えない。むしろ、下手くそです。
唄も同様に、全く上手くない。とてもじゃないが聴いていられない唄もあります。
芝居などの『芸事に目が肥えていると思っている人』に限って、
そういった芝居のテクニックの部分を評論する。
でも、僕はちょっと違いましたね。
下手くそな芝居なのに、どこかで引き込まれてゆく。
多分それは、下手くそながらも一生懸命やっている姿や、
そういった物事に対するひたむきさとかに、心を揺さぶられた。
若い人が『老け役』でやっている芝居とは違うリアリティもあります。
劇団の若い人が『反則』という部分ですね。
いくら頑張っても、経験から来るものには勝てないと若い人が言います。
皆、私生活では某かの問題を抱えて生活しているでしょう。
そういう人達が、舞台の上では別の人間になって、がんばっている。
そういう姿に感動するお客様も多いはずです。
歌唱指導の石崎先生が、
『一生懸命やらなければ、伝わらない』といつもおっしゃっています。
僕らの劇団が芝居を通じてお客様に伝えるのは、勿論芝居に込めたメッセージです。
でも、その他に『元気』だったり『エネルギー』だったり•••••。
お帰りになるときに、『俺も頑張らなくちゃ』『私も頑張ろう』
と、感じて頂くことこそが僕らの劇団の使命であり、存在意義だと思います。
今回、ご来場頂いたお客様から『ありがとう』と握手を求められました。
それも、僕の知らない初めて会う方ばかりでした。
そんなお客様の反応が『来年も頑張ろう』という気持ちにさせてくれます。
本当にありがとうございました。