新しい事業のために、単身でブラジルに出掛けていた兄貴が帰国して、
久しぶりに弟を交えた三人で、今は誰も住んでいない荻窪の実家に集まった。
大した資産も無いくせに、いざ相続となると、兄弟間に考え方の違いがあって、
元々、うちの兄弟はお金に関して全く欲が無くて、
お金のことで揉める事なんか無かったはずなのに
それをメールのやり取りで色々やっているうちに、
ちょっとしたメールの文章が誤解を生じたことから、、
やり取りがだんだんヒステリックになって、
関係がギクシャクしてしまったのが、今日集まった一番の理由。
何の事はない、顔を合わせて話をすれば、
10分で解決するような内容の話だった。
メールのやり取りで、嫌な気分になったのが阿呆らしい。
メールって言うのは、言葉のニュアンスが上手く伝わらないので、
今回のようにちょっとした事で誤解を生じやすく、
顔を見て話をするというのは兄弟だけじゃなく、
人と関わる上では、凄く大事な気がした。
途中からスカイプを繋げて姉貴も話に参加。
結局、相続の話は10分足らずでまとまって、
その後は、震災の話や兄貴の家がある鹿島の話と
姉貴が豪州で展開している義援金の話になって
いわゆる世間話に終始した。
海の向こうに居るとはいえ、兄弟が話をする機会が
出来る今の時代は凄いなぁって思った。
僕は自分の兄弟が、ひとつに纏まっていることが
何よりも嬉しかったし、こんな兄弟を生んでくれたお袋や
自分の人生を犠牲にして育ててくれた親父に対して
感謝の気持ちで一杯になった。
『兄弟仲良く、力を合わせて』という親父の遺言を
皆で守っている兄弟を誇りに思った一日だった。