映画「イミテーションゲーム エニグマと天才数学者の秘密」を映画館で見てきました。久々のコメントです(忙しい!!)

以前ケイト・ウィンスレットが主演した「エニグマ」を見たことがあった。ドイツ軍の暗号解読という題材で、非常に面白い映画だった。てっきりリメイクの色彩が強いのかと思っていたが、まったく違っていた。個人的にはラッセルクロウ「ビューティフルマインド」のような天才科学者が1人もがくという題材の映画は大好きで、この映画もよかった。ドイツ軍の暗号を暴きだそうとする流れを語るというよりも1人の奇人をクローズアップした映画と言えよう。
1939年、イギリスがヒトラー率いるドイツに宣戦布告し、第二次世界大戦が開幕。 天才数学者アラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)は、英国政府の機密作戦に参加し、ドイツ軍の誇る暗号エニグマ解読に挑むことになる。暗号のパターン数は、10人の人間が1日24時間働き続けても、全組合せを調べ終わるまでに2000万年かかるというのだ。
暗号解読のために集められたのは、チェスの英国チャンピオンや言語学者など6人の天才たち。MI6のもと、チームは暗号文を分析するがチューリングは一人勝手に奇妙なマシンを作り始める。子供の頃からずっと周囲から孤立してきたチューリングは、共同作業など、はなからするつもりもない。 両者の溝が深まっていく中、チューリングを救ったのは、クロスワードパズルの天才ジョーン(キーラ・ナイトレイ)だった。

彼女はチューリングの心の扉を開いていく。そして初めて仲間と心が通い合ったチューリングは、遂にエニグマを解読する。しかし、ドイツ軍にそのことが知られたら暗号の設定を変えられ、苦労が水の泡になってしまう。
解読した暗号を利用した極秘作戦が計画されるが、それはチューリングの人生はもちろん、仲間との絆さえも危険にさらすものだったのだ。さらに自分に向けられるスパイ疑惑。そしてチューリングが心の奥に隠し続け、ジョーンにすら明かせなかった、もう一つの大きな悲しい秘密があった。(作品情報引用)

完全なネタばれではないが、ちょっと核心に触れてみる。
いきなり英国軍の将校と天才数学者と言われるアラン・チューリングが面接する場面が出てくる。かみ合わない会話をしていて、ドイツ語を知らないというアランを不合格にしようとしたときにアランが「エニグマ」という言葉を発して将校が眼の色を変える。そして採用するのだ。
1.天才アラン・チューリング
ノーベル経済学賞のナッシュを題材にした「ビューティフルマインド」でも主人公のナッシュは統合失調症的幻聴や妄想に悩まされていた。ここでの主人公はそうではないが、最終的に英国の同性愛を罰する法のために男性ホルモンを注入され心のバランスを失い自殺しまう。でもこういう天才っているよなあ。

自分の知っている限りではこの手の天才はバランスを崩して早死にするケースが非常に多い。アラン・チューリングも41歳で死んでしまうのだ。自分の友人でも同じような奴がいた。天才は努力の積み重ねで生まれるとも言われるが、生まれながらに本当にすごい天才っていると思う。頭の良し悪しは関係ないという人は、そういう人にあって屈辱感を感じたことのない人だろう。圧倒されて自分の脳力に自信をなくすこともあるが、この映画の主人公同様奇行が目立つので逆にホッとする。
この映画のテーマは天才の奇行それに尽きる。
2.暗号解読
アランがその昔のコンピューターじみた機械を使って解読しようとするが、なかなかうまくいかない。内務省からは予算の遣いすぎを指摘され、どうにもやりきれない。それでもこれしかないと、元々は仲のよくなかった仲間たちがアランを弁護する。そして、ドイツ軍の通信を傍受する女性が言った言葉を聞き、アランが「エニグマ」を解読する糸口を偶然発見する。なかなかしびれる場面だ。科学者の「わかった!!」と悟りを得る瞬間っていいよね。「インターステラー」でもジェシカチャスティンが「ユーリカ」と叫ぶ場面が一番好きだった。

3.二重スパイ
アランチューリング自体が二重スパイの疑いをかけられるが、元々まったくその気はない。精鋭メンバーの中にある国のスパイがいるのだ。それをアランが理解して直接本人に言うと、もしばらすならお前の秘密をばらすぞと言われる。アランの秘密は当時の英国ではたいへんな話だった。しかし、ある国のスパイというのは知っていて、上司も採用したというのがわかった。あえてニセの情報を本国に報告させるように情報操作をしていたのだというのだ。なるほど、そういう高度な駆け引きで動いているんだなあ。「特定秘密保護法」に自分の嫌いなA新聞をはじめとして妙に反対する人いるけど、秘密って大事だよね。
(参考作品)

以前ケイト・ウィンスレットが主演した「エニグマ」を見たことがあった。ドイツ軍の暗号解読という題材で、非常に面白い映画だった。てっきりリメイクの色彩が強いのかと思っていたが、まったく違っていた。個人的にはラッセルクロウ「ビューティフルマインド」のような天才科学者が1人もがくという題材の映画は大好きで、この映画もよかった。ドイツ軍の暗号を暴きだそうとする流れを語るというよりも1人の奇人をクローズアップした映画と言えよう。
1939年、イギリスがヒトラー率いるドイツに宣戦布告し、第二次世界大戦が開幕。 天才数学者アラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)は、英国政府の機密作戦に参加し、ドイツ軍の誇る暗号エニグマ解読に挑むことになる。暗号のパターン数は、10人の人間が1日24時間働き続けても、全組合せを調べ終わるまでに2000万年かかるというのだ。
暗号解読のために集められたのは、チェスの英国チャンピオンや言語学者など6人の天才たち。MI6のもと、チームは暗号文を分析するがチューリングは一人勝手に奇妙なマシンを作り始める。子供の頃からずっと周囲から孤立してきたチューリングは、共同作業など、はなからするつもりもない。 両者の溝が深まっていく中、チューリングを救ったのは、クロスワードパズルの天才ジョーン(キーラ・ナイトレイ)だった。

彼女はチューリングの心の扉を開いていく。そして初めて仲間と心が通い合ったチューリングは、遂にエニグマを解読する。しかし、ドイツ軍にそのことが知られたら暗号の設定を変えられ、苦労が水の泡になってしまう。
解読した暗号を利用した極秘作戦が計画されるが、それはチューリングの人生はもちろん、仲間との絆さえも危険にさらすものだったのだ。さらに自分に向けられるスパイ疑惑。そしてチューリングが心の奥に隠し続け、ジョーンにすら明かせなかった、もう一つの大きな悲しい秘密があった。(作品情報引用)

完全なネタばれではないが、ちょっと核心に触れてみる。
いきなり英国軍の将校と天才数学者と言われるアラン・チューリングが面接する場面が出てくる。かみ合わない会話をしていて、ドイツ語を知らないというアランを不合格にしようとしたときにアランが「エニグマ」という言葉を発して将校が眼の色を変える。そして採用するのだ。
1.天才アラン・チューリング
ノーベル経済学賞のナッシュを題材にした「ビューティフルマインド」でも主人公のナッシュは統合失調症的幻聴や妄想に悩まされていた。ここでの主人公はそうではないが、最終的に英国の同性愛を罰する法のために男性ホルモンを注入され心のバランスを失い自殺しまう。でもこういう天才っているよなあ。

自分の知っている限りではこの手の天才はバランスを崩して早死にするケースが非常に多い。アラン・チューリングも41歳で死んでしまうのだ。自分の友人でも同じような奴がいた。天才は努力の積み重ねで生まれるとも言われるが、生まれながらに本当にすごい天才っていると思う。頭の良し悪しは関係ないという人は、そういう人にあって屈辱感を感じたことのない人だろう。圧倒されて自分の脳力に自信をなくすこともあるが、この映画の主人公同様奇行が目立つので逆にホッとする。
この映画のテーマは天才の奇行それに尽きる。
2.暗号解読
アランがその昔のコンピューターじみた機械を使って解読しようとするが、なかなかうまくいかない。内務省からは予算の遣いすぎを指摘され、どうにもやりきれない。それでもこれしかないと、元々は仲のよくなかった仲間たちがアランを弁護する。そして、ドイツ軍の通信を傍受する女性が言った言葉を聞き、アランが「エニグマ」を解読する糸口を偶然発見する。なかなかしびれる場面だ。科学者の「わかった!!」と悟りを得る瞬間っていいよね。「インターステラー」でもジェシカチャスティンが「ユーリカ」と叫ぶ場面が一番好きだった。

3.二重スパイ
アランチューリング自体が二重スパイの疑いをかけられるが、元々まったくその気はない。精鋭メンバーの中にある国のスパイがいるのだ。それをアランが理解して直接本人に言うと、もしばらすならお前の秘密をばらすぞと言われる。アランの秘密は当時の英国ではたいへんな話だった。しかし、ある国のスパイというのは知っていて、上司も採用したというのがわかった。あえてニセの情報を本国に報告させるように情報操作をしていたのだというのだ。なるほど、そういう高度な駆け引きで動いているんだなあ。「特定秘密保護法」に自分の嫌いなA新聞をはじめとして妙に反対する人いるけど、秘密って大事だよね。
(参考作品)
![]() | エニグマ アラン・チューリング伝 上 |
本でアランチューリングを追ってみる。 | |
![]() | 暗号解読 |
暗号解読にかんしてのムチャクチャ面白いサイモンシンの傑作 | |
![]() | エニグマ |
天才よりケイト・ウィンスレットがクローズアップ、でもいい映画 | |
![]() | ビューティフル・マインド ] |
暗号解読に挑む数学者を描いたアカデミー賞作品 | |