映画とライフデザイン

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映画「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」

2017-06-17 06:56:40 | 映画(洋画:2016年以降主演男性)
映画「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」は2016年日本公開のアメリカ映画

自分はDVDスルーとなってしまったが、評価が高い映画である。ハリウッド映画全盛の40年代から活躍していた脚本家ダルトン・トランボは、反体制のスタイルで偉そうにしており、まだ米ソが対ドイツで協調路線を取っていたので共産党員にもなってしまう。ところが、二次世界大戦が終了すると一転、米ソの冷戦が始める。その際映画界にマッカーシズムが蔓延するのだ。最初はタカをくくっていたが、逮捕拘束もされてしまう。保守層から白い目で見られていた。

しかし、それでもトランボはへこたれない。「ローマの休日」など隠れて名作を生み出す。ここのあたりがすごい。それをこの映画で描いている。芸達者ヘレンミレンジョン・グッドマンを従えて、主役のブライアン・クランストンの緩急自在の演技がすばらしい。個人的にはあまり記憶に残っていない俳優である。でもうまい!妻役のダイアンレインは久々にみる。「ストリートオブファイア」のころとは違う円熟の演技である。


戦後のアメリカ映画界の弾圧ではいろんなドラマが生み出されている。もともとアカ派のエリアカザンは仲間をちくったということで評判が悪い。冷戦時代では保守政治家筋からの弾圧が起きても当然の流れといえる。保守派であるジョンウェインが悪役になってしまうのを映すのは珍しい。トランボはゴーストライターのごとく、陰に隠れて活躍している。名前公表に向けての流れが映画で取り上げられる。そしてケネディ政権誕生時にJFケネディ大統領自ら「スパルタクス」を鑑賞して、ようやく禊が取れたということになる。


このトランボが生き延びたのも資本主義の世界ならではのことである。ミルトン・フリードマンが名著「資本主義の自由」でとりあげているように、スターリンやヒトラーのような全体主義の世界では個人を雇うのは国家である。それ故トランボたちも職にありつけることするなく粛清されてしまうはずである。


久々のアップになる。アウトプットの調子が悪いが、少しづつ書き始めて行こう。
コメント
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