映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「ザ・メニュー」レイフ・ファインズ&アニャ・テイラー=ジョイ

2022-11-19 20:57:44 | 映画(洋画:2022年以降主演男性)
映画「ザ・メニュー」を映画館で観てきました。


映画「ザ・メニュー」は孤島にある予約のとれない高級レストランの一夜で起きる一部始終を描いたサスペンスグルメ映画である。英国映画界ベテランのレイフファインズがカリスマシェフ役で、Netflix「クイーンズギャンビッド」から人気急上昇のアニャ・テイラー=ジョイが主要顧客の1人を演じる。予備知識なしで観に行く。

人気シェフのいる孤島のレストランに船に乗って向かう12人の中には、情婦を連れた芸能人、料理評論家を連れた編集者、富豪の夫妻、よからぬ取引で金儲けした男たちとタイラー(ニコラスホルト)とマーゴ(アニャ・テイラー=ジョイ)が乗船していた。1人あたり1250ドルの高い料理だ。もともと乗船予定だった女性と代わったマーゴに女性給仕長は怪訝な視線を向けたが、全員オープンキッチンを目の前にしたテーブルにつく。そして、シェフであるジュリアン・スローヴィク(レイフ・ファインズ)が登場して、牡蠣の料理からスタートする。


ここまでは、普通のグルメ番組と変わらない展開だ。
ただ、メニューは普通ではない。それに対して、顧客が注文をしても女性給仕長がすべてはねのける。ムードが徐々に険悪になるが、コース料理は進む。しかし、マーゴが反発する。料理に注文をつける。マーゴは客席の雰囲気とシェフの態度に何か違うものを感じる。

この映画の感想もむずかしい。何を言ってもネタバレになりそう。主役の若い女性が周囲の雰囲気に1人違和感を感じて物語が動く。直近で観た「ドント・ウォーリー・ダーリン」と展開が同じである。だいたい映画の半分程度まで進んだ時からあっと驚くようなハプニングが続く。これは全部自分の予想外の展開だ。


出される料理は美しい盛り付けがしてある。「ボイリングポイント」というレストランの一夜をノンストップの一筆書きで描いた作品があった。よくできている映画だった。しかし、この映画ほど料理の美的感覚を感じなかった。この映画でプレゼンされる料理は、料理界をにぎわせ、映像にもなったレストラン「ノーマ」の料理にアナロジーを感じる。しかも、それを通り越したものすごい料理が給仕される。グルメ映画のジャンルではかなりレベルの高い料理だ。ここではネタバレで言えない。


レイフファインズは、名作「イングリッシュペイシェント」の頃と比べると、怪優としての存在で認知されるようになってきた気がする。この映画もそうだ。孫のようなアニャ・テイラー=ジョイはここでも大活躍だ。「ラストナイトインソーホー」は数多い2021年の映画の中でも3本の指に入る怪作だった。アニャは主役として、力量を発揮するタイプだと思う。脇にまわった「キュリー夫人」「アムステルダム」ではそこまでよく見えない。将来的にはスカーレット・ヨハンソンのような存在になりそうだ。今が世代交代の時期かもしれない。

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映画「ドント・ウォーリー・ダーリン」 オリヴィアワイルド& フローレンス・ピュー

2022-11-19 05:04:06 | 映画(洋画 2022年以降主演女性)
映画「ドント・ウォーリー・ダーリン」を映画館で観てきました。


映画「ドントウォーリーダーリン」は悪夢と現実が交差するサイコスリラー映画である。オリヴィアワイルド監督の作品、名前を聞いてもピンと来なかったが、エンディングロールで出演者と監督の名前が一致していることに初めて気づく。「え!誰」と作品情報を見直して、主人公と仲良しの女性とわかる。映画を観ながら、この女性は観たことあると思っていた女性だった。

オリヴィアワイルドの履歴を見ると、クリントイーストウッド作品「リチャードジュエル」で主人公を陥れようとする女性新聞記者を演じていた。あの時はストーリーのカギになる女の役柄だったけど、むちゃくちゃ嫌な女をうまく演じていた。キャスティングのうまいイーストウッドらしいなと思っていた。他にも自分の好きな「ラッシュ」などでいい女役を演じていて、顔を見たことがあると思う人は多いと思う。


オリヴィアワイルドによるこの映画の感想を書くのは難しい。観終わってしばらくしてもストーリーの全容がまだ理解できていない。ゴールデンエイジ時代の幸せなカップルに焦点をあてる。ヤシの木が道路に立ち並ぶヴィクトリアという郊外の美しい街で、同じ仕事に従事して鮮やかな色のアメ車で通勤する夫とそれを支える家族が暮らしている。リッチな感じだ。


50年代を思わせるアメリカの家庭を映す映像は、ヴィジュアルセンスあふれるアメリカ映画の優秀なスタッフを集めた結晶によるものではないか。衣装、美術、インテリアを含めて美的感覚にあふれた映像だ。色合いもいい。エスターウィリアムズ「百万ドルの人魚」を水上からダンスフロアに移したような映像も含めて、名作からの引用的な映像もある。オリヴィアワイルドの映画的センスを感じる。

誰も彼もが幸せムードたっぷりの中で、「何かおかしい?」と感じる若き美人妻アリスのヒロインの不安をクローズアップする。ラブラブなはずの夫ジャックの動きも途中からおかしくなる。周囲もこの仲間たちを仕切るリーダー(クリスパイン)もどこか変だ。妙な展開が続く。Netflix「イカゲーム」にでてくるピンクの服装の不気味なスタッフのような集団も登場する。これって新興宗教扱った映画なの?と一時思った。類したテイストもある。


でも、正直ついていけなかった。
夢と現実が交差する映像はデイヴィッドリンチ監督が得意な世界だけど、それとは違うものを感じた。デイヴィッドリンチ作品は常にどんより陰だけど、この映画陰と陽のコントラストが強い

ヴォリューム感あふれるピチピチの主人公アリスを演じたフローレンス・ピューは、今の日本の女優にはいないタイプで、スッピンの映画ポスターよりもずっといい女だ。ジャックとの大胆なからみは脱いでいないのにエロチックだ。その主人公とクールビューティたちでつくる映像は日本映画で作るのは不可能と思われる映像美だと思う。視覚、聴覚だけは楽しめたが、意味は未だよく理解できていない。
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