よく義理人情はアメリカでは通用しないと言います。
しかしアメリカに住んで米国人と共同で仕事をした経験から、私はアメリカでも義理人情が重要だと信じています。ただ単に「義理人情」という言葉がアメリカには無いだけす。
分かり易く言えば彼等の行動も情に流される場合が非常に多いのです。
そこで今日はトランプさんの選挙運動でアメリカ人の人情がどのように変わってしまったかを書いてみたいと思います。勿論、アメリカ人に直接聞いた話ではありません。しかし長い間、彼等と共同で仕事をしてきた経験のある私の想像がそんなに間違っているとは思えません。
「アメリカ人の人情」と一言で言ってしまっては雑すぎます。
政権に参加するようなエリート層の人情と、トランプ氏を支持したと言われている白人労働者やもろもろの層の人たちの人情と分けて想像することが重要なのです。
エリート層の行動は理性的です。人情は持っていますがそれに流されないようにします。
その良い一例は共和党の有力な知日家のアーミテージ元米国務副長官です。今日の読売新聞の2ページ目に日米安保体制の将来について論陣を張っています。理路整然として成程と強く納得出来る論説です。
彼の主張は、「米軍、国防省、国務省が従来の同盟をガラリと変えることは考えにくい。ただトランプ氏がそのことを理解するのに時間がかかる」というものです。
ですから日米安保体制は将来も従来通り存続するでしょう。
しかし、と私は強調したいことがあります。
それはトランプ氏を支持したと言われている白人労働者やその他の諸々のマイノリティ層、そして格差にあえいでいる層の人々の日米安保体制に対する感じ方が変わってしまったことです。
彼等は従来は外国との同盟は、それも仕方が無いという諦観のような人情を持っていたのです。そのように想像出来る雰囲気があったのです。今まで彼等は安保廃止やNATO脱退のデモ行進をしたためしが無かったのです。
ところがトランプ氏は過去一年間、駐留費全額を出さない日本からは米軍の撤退の可能性がありうると叫び続けていたので。NATOからの脱退の可能性もあると言い続けたのです。
この言明はアメリカで格差にあえいでいる層の人々の安保体制やNATO体制に対しての感じ方を変えてしまったと考えるのが当然ではないでしょうか?
「人間は考える葦である」と言いますが、同時に「考える葦は風になびく」ものなのです。
多くのアメリカ人は日本を従順な弟のような親近感をもって接して来たのです。日本を家族の一員だという人情を持っていたのです。
それがトランプ氏の発言で「家族の一員ではなく、やっぱり他人なのだ!」と気がついたのです。
この人情の変化は「日本は他の独立国と同じような国であり、アメリカの属国ではない」という感じ方につながります。
彼等の日本に対する熱い感情がさめてしまったのです。日本人は普通の他人になってしまったのです。
一方日本には、「日本はアメリカからもっと独立べき」と主張する人々が多いのです。
その極端な考えの「米軍の完全撤退と自主防衛」を主張する人々もいます。
そこまで極端ではなくても、米軍には駐留してもらいながら軍備の強化を主張する人々もいます。
また平和憲法の改正は断固反対して従来通りの安保体制の維持を主張する人々もいます。
トランプ氏の出現は「日本はアメリカの属国ではない」と主張する日本人に歓迎されて来ました。
従ってトランプ氏は右翼的な人情を持つ日本人に歓迎されているのです。
しかし一国の将来の安全と平和を感情論で決めては間違います。あくまでも賢い理性で決めるべきです。
今日の元国務副長官のアーミテージ氏の論説も非常に理性的です。トランプ氏も少し時間はかかりますが従来の安保体制を維持すると思います。
しかしそれに対するアメリカ人の感じ方や人情は変わってしまったのです。「覆水盆に返えらざる」などです。
安保体制に対する日本人の感じ方も変わったのです。当然、安保協定の条文や駐留費の改正は必要になるでしょう。
今日の挿し絵代わりの写真は高尾山へのケーブルの登り口で昨日撮った紅葉の写真です。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)
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しかしアメリカに住んで米国人と共同で仕事をした経験から、私はアメリカでも義理人情が重要だと信じています。ただ単に「義理人情」という言葉がアメリカには無いだけす。
分かり易く言えば彼等の行動も情に流される場合が非常に多いのです。
そこで今日はトランプさんの選挙運動でアメリカ人の人情がどのように変わってしまったかを書いてみたいと思います。勿論、アメリカ人に直接聞いた話ではありません。しかし長い間、彼等と共同で仕事をしてきた経験のある私の想像がそんなに間違っているとは思えません。
「アメリカ人の人情」と一言で言ってしまっては雑すぎます。
政権に参加するようなエリート層の人情と、トランプ氏を支持したと言われている白人労働者やもろもろの層の人たちの人情と分けて想像することが重要なのです。
エリート層の行動は理性的です。人情は持っていますがそれに流されないようにします。
その良い一例は共和党の有力な知日家のアーミテージ元米国務副長官です。今日の読売新聞の2ページ目に日米安保体制の将来について論陣を張っています。理路整然として成程と強く納得出来る論説です。
彼の主張は、「米軍、国防省、国務省が従来の同盟をガラリと変えることは考えにくい。ただトランプ氏がそのことを理解するのに時間がかかる」というものです。
ですから日米安保体制は将来も従来通り存続するでしょう。
しかし、と私は強調したいことがあります。
それはトランプ氏を支持したと言われている白人労働者やその他の諸々のマイノリティ層、そして格差にあえいでいる層の人々の日米安保体制に対する感じ方が変わってしまったことです。
彼等は従来は外国との同盟は、それも仕方が無いという諦観のような人情を持っていたのです。そのように想像出来る雰囲気があったのです。今まで彼等は安保廃止やNATO脱退のデモ行進をしたためしが無かったのです。
ところがトランプ氏は過去一年間、駐留費全額を出さない日本からは米軍の撤退の可能性がありうると叫び続けていたので。NATOからの脱退の可能性もあると言い続けたのです。
この言明はアメリカで格差にあえいでいる層の人々の安保体制やNATO体制に対しての感じ方を変えてしまったと考えるのが当然ではないでしょうか?
「人間は考える葦である」と言いますが、同時に「考える葦は風になびく」ものなのです。
多くのアメリカ人は日本を従順な弟のような親近感をもって接して来たのです。日本を家族の一員だという人情を持っていたのです。
それがトランプ氏の発言で「家族の一員ではなく、やっぱり他人なのだ!」と気がついたのです。
この人情の変化は「日本は他の独立国と同じような国であり、アメリカの属国ではない」という感じ方につながります。
彼等の日本に対する熱い感情がさめてしまったのです。日本人は普通の他人になってしまったのです。
一方日本には、「日本はアメリカからもっと独立べき」と主張する人々が多いのです。
その極端な考えの「米軍の完全撤退と自主防衛」を主張する人々もいます。
そこまで極端ではなくても、米軍には駐留してもらいながら軍備の強化を主張する人々もいます。
また平和憲法の改正は断固反対して従来通りの安保体制の維持を主張する人々もいます。
トランプ氏の出現は「日本はアメリカの属国ではない」と主張する日本人に歓迎されて来ました。
従ってトランプ氏は右翼的な人情を持つ日本人に歓迎されているのです。
しかし一国の将来の安全と平和を感情論で決めては間違います。あくまでも賢い理性で決めるべきです。
今日の元国務副長官のアーミテージ氏の論説も非常に理性的です。トランプ氏も少し時間はかかりますが従来の安保体制を維持すると思います。
しかしそれに対するアメリカ人の感じ方や人情は変わってしまったのです。「覆水盆に返えらざる」などです。
安保体制に対する日本人の感じ方も変わったのです。当然、安保協定の条文や駐留費の改正は必要になるでしょう。
今日の挿し絵代わりの写真は高尾山へのケーブルの登り口で昨日撮った紅葉の写真です。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)
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