後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

冬の花々と老境の孤独

2016年11月30日 | 日記・エッセイ・コラム
先日、ある公園に冬の花の写真を撮りに行きました。四季折々、花が絶えない公園です。花の時期が終わり頃になると自由に花を摘んでも良い公園なのです。ハサミを貸してくれて、摘み取ったもので花束を作ってくれます。ささやかな幸せな気分になる公園です。

1番目の写真がその小さな公園の風景です。真ん中に蔦の絡まった半円形のやぐらがあります。
作業着を着た男性と女性が盛んに蔦を採っています。蔦から枯葉を除いて丸めています。家内が尋ねると葛の蔓でリースを作るということでした。
愛想良く「事務所の前に花を植えましたからご覧下さい」と言います。そうです。数日前に車で通り過ぎながら「ははん。植えたな」と見ていたので後でゆっくり見に来たのです。
この公園の草木や花々の世話をしている作業着の人は皆幸せそうです。見に行くと挨拶をして微笑んでくれます。

2番目の写真は事務所の前の花壇の写真です。いろいろな色彩のパンジーの配置を工夫して植えこんであります。

3番目の写真は鮮やかな黄色いパンジーだけ植えた一角の写真です。

4番目も花壇の一部です。左に枯れた芝生と右に緑の葉を配して冬でも美しい一角を作っています。

5番目は鉢植えにしたパンジーの写真です。こんな鉢植えも自分で作ろうとすると難しいものです。植え込んだ人の苦労がしのばれます。

このような色とりどりのパンジーの花は華やかです。心が浮き立ちます。
しかし何か寂しげです。冬の陽射しは明るいのですが、弱々し気です。花には夏の花のような勢いがありません。
なんとはなしに老境の孤独を連想しました。
私のある友人は雪の積もった山林の中で一人で暮らしています。
雪の写真を撮ろうとして庭で転び、腰を打ちました。ひどい痛みが続くので、2日後に自分で救急車を呼んで街中の病院に行きました。
骨には異常が無いという診断だったので山林の中の家に帰り静養しています。窓から周囲の枯れ木の雪を眺めて過ごしているようです。
そんな友人のことを想いながら寂しげなパンジーの花を見やっていました。
またある友人は寒い暗いイギリスで伴侶に先立たれ悲嘆にくれています。最近、検査入院した病院で合併症のため急に旅立ってしまったのです。異国の地で悲しみに耐えしのんでいる友人の為に花々へ祈っていました。
そしてある友人は痴呆症になり施設に入っています。代々木の共産党本部で生涯働いていた人です。
私の山林の中の小屋の近所に独りで住んでいました。散歩のついでに私の小屋にも寄ってよく話し込んでいました。家内はあの方は善い人だと言ってました。
共産主義は悪いと信じている私ですが、彼のひたむきな生き方に胸を打たれます。
その彼も遠い何処かに去ってしまいました。

三鷹市花と緑の広場の冬のある日の午後でした。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)