皆様はスーパーで美味しい牛肉や豚肉を買って料理をして食べています。ベジタリアンの方々は別にして、毎日のように食べています。
私は最近、美味しい肉には素人が知らないに隠れた秘密があるのではないかと考えるようになりまた。
それは今まで不味いと信じていた鹿肉が非常に美味しいものもあるという体験をしたからです。
趣味人倶楽部というSNSの会員の「でいしゅうさん」という方がエゾシカの肩ロースとモモ肉を北海道から冷蔵宅急便で送って下さったのです。
そのいきさつは一昨日の記事、「徳不孤、必有隣と狩猟の趣味、そして不羈の才」で説明いたしました。
頂いた鹿肉を山椒味噌味のステーキにしたり、フランス料理風にワイン、生クリームとコンソメの素などを入れたソースを焼いたステーキにかけて食べました。
ところが単純に塩コショウだけで焼いたものがロースでもモモ肉でも一番美味しかったのです。
美味しい肉はあまり凝った料理をしないで、焼いて塩コショウだけで食べると美味しいのだと分かりました。
焼いた鹿肉は実に柔らかで滋味豊かな奥深い美味しさがあったのです。ほんの少し野生の風味がして奥行のある味です。
その上、同じ草食動物の和牛のような風味がかすかにするのです。
そこで鹿肉を送ってくれた「でいしゅうさん」にどうして美味しいのかをクドクド聞きました。
3つの絶対条件があるようです。
(1)鹿を一発で即死させ苦しめない。(苦しんで死んだ肉は全て不味い)
(2)即死後、体温の下がらないうちに完全に血を抜く。
(3)解体の時、毛皮に触った手で肉に絶対に触ってはいけない。(腐敗菌や雑菌がすぐに繁殖し長期の熟成が出来なくなる)
以上をきちんと行った鹿肉は数日間の冷蔵庫での熟成で柔らかになり風味も増すのです。
結論を先に書けば、以上の3条件を完全に出来る猟師の獲った鹿肉は美味しいのです。
では不味い鹿肉はどうして出来るのでしょうか?
多くの猟師は上の(1)と(2)は知っています。なるべき完全に血を抜くように努力します。
ところが解体の時、皮を剥いだ手で、そのまま肉も切ってしまうのです。
これでは数日間の熟成期間中に雑菌が繁殖し不味くなるのです。酷い時には腐敗してしまうのです。
草食動物の肉は和牛でも輸入牛でも鹿でも数日間熟成しないと不味いのです。
猟師の獲った獣の肉が不味いのは多くの場合、解体の時、毛皮に触った手で肉に触ってしまうからです。
私はでいしゅうさんから、濡れタオルで包んで送られて来た鹿肉を、別の濡れタオルで包んでさらに3日間冷蔵庫で熟成しました。
そうしたら実に柔らかになりました。風味も一段と増したのです。
でいしゅうさんは更に美味しい鹿肉について11月08日の日記に以下のように書いています。
1、美味しい年齢(2歳の牡)の鹿であるか。
2、牧草をしっかり食べて肥育している季節か。
3、雪の季節は美味しくない。
4、撃った時に一発で首の骨を砕いて、即死させたか。苦しめた鹿は不味い。
5、直ぐに放血を行う。小バケツ一杯は出る。
6、内臓をすぐに抜く。
7、体温を下げる。皮は早く剥いだ方が良い。
8、皮を剥ぐときに、毛に触った手で肉を掴まない。
9、大分けにした肉は吊るして血を抜く。
10、肉をブロックにしてから、濡れタオルに包み、3日ほど熟成さす。
11、肉からはスジを取、肉の繊維に気を付けて切る。
私は甲斐駒岳の麓にある肉屋さんから鹿肉やイノシシ肉を買って食べたことがありました。
イノシシ肉は美味しいのですが、鹿肉は全て不味かったのです。
その肉屋さんの息子さんが鉄砲撃ちの猟師で甲斐駒岳の麓で獲った新鮮な肉なのです。
鉄砲撃ちの息子が獲った新鮮な鹿だから美味しいよと女主人が自慢していました。
しかし最近はその息子さんの血抜きや解体処理の悪さを考えるようになりました。
そうこうしている内にその長年親しんでいた肉屋さんの主人が病気になり廃業してしまったのです。はかないです。
さて冒頭に「私は最近、美味しい肉には素人が知らないに隠れた秘密があるのではないかと考えるようになりまた。」と書きました。
その意味はスーパーに並んでいる牛肉も豚肉もそしてラム肉もその解体方法と熟成に隠れた秘密があるのではないかと考えるようになりました。
そして人間の食べ物についての智慧の深さを想うのです。
写真にエゾシカ肉を示します。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)
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1番目の写真は熟成が終わったモモ肉を切っている場面の写真です。
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2番目の写真は切り終わった肩ロースの写真です。
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3番目の写真はローズマリーとともにステーキにしたモモ肉の写真です。
私は最近、美味しい肉には素人が知らないに隠れた秘密があるのではないかと考えるようになりまた。
それは今まで不味いと信じていた鹿肉が非常に美味しいものもあるという体験をしたからです。
趣味人倶楽部というSNSの会員の「でいしゅうさん」という方がエゾシカの肩ロースとモモ肉を北海道から冷蔵宅急便で送って下さったのです。
そのいきさつは一昨日の記事、「徳不孤、必有隣と狩猟の趣味、そして不羈の才」で説明いたしました。
頂いた鹿肉を山椒味噌味のステーキにしたり、フランス料理風にワイン、生クリームとコンソメの素などを入れたソースを焼いたステーキにかけて食べました。
ところが単純に塩コショウだけで焼いたものがロースでもモモ肉でも一番美味しかったのです。
美味しい肉はあまり凝った料理をしないで、焼いて塩コショウだけで食べると美味しいのだと分かりました。
焼いた鹿肉は実に柔らかで滋味豊かな奥深い美味しさがあったのです。ほんの少し野生の風味がして奥行のある味です。
その上、同じ草食動物の和牛のような風味がかすかにするのです。
そこで鹿肉を送ってくれた「でいしゅうさん」にどうして美味しいのかをクドクド聞きました。
3つの絶対条件があるようです。
(1)鹿を一発で即死させ苦しめない。(苦しんで死んだ肉は全て不味い)
(2)即死後、体温の下がらないうちに完全に血を抜く。
(3)解体の時、毛皮に触った手で肉に絶対に触ってはいけない。(腐敗菌や雑菌がすぐに繁殖し長期の熟成が出来なくなる)
以上をきちんと行った鹿肉は数日間の冷蔵庫での熟成で柔らかになり風味も増すのです。
結論を先に書けば、以上の3条件を完全に出来る猟師の獲った鹿肉は美味しいのです。
では不味い鹿肉はどうして出来るのでしょうか?
多くの猟師は上の(1)と(2)は知っています。なるべき完全に血を抜くように努力します。
ところが解体の時、皮を剥いだ手で、そのまま肉も切ってしまうのです。
これでは数日間の熟成期間中に雑菌が繁殖し不味くなるのです。酷い時には腐敗してしまうのです。
草食動物の肉は和牛でも輸入牛でも鹿でも数日間熟成しないと不味いのです。
猟師の獲った獣の肉が不味いのは多くの場合、解体の時、毛皮に触った手で肉に触ってしまうからです。
私はでいしゅうさんから、濡れタオルで包んで送られて来た鹿肉を、別の濡れタオルで包んでさらに3日間冷蔵庫で熟成しました。
そうしたら実に柔らかになりました。風味も一段と増したのです。
でいしゅうさんは更に美味しい鹿肉について11月08日の日記に以下のように書いています。
1、美味しい年齢(2歳の牡)の鹿であるか。
2、牧草をしっかり食べて肥育している季節か。
3、雪の季節は美味しくない。
4、撃った時に一発で首の骨を砕いて、即死させたか。苦しめた鹿は不味い。
5、直ぐに放血を行う。小バケツ一杯は出る。
6、内臓をすぐに抜く。
7、体温を下げる。皮は早く剥いだ方が良い。
8、皮を剥ぐときに、毛に触った手で肉を掴まない。
9、大分けにした肉は吊るして血を抜く。
10、肉をブロックにしてから、濡れタオルに包み、3日ほど熟成さす。
11、肉からはスジを取、肉の繊維に気を付けて切る。
私は甲斐駒岳の麓にある肉屋さんから鹿肉やイノシシ肉を買って食べたことがありました。
イノシシ肉は美味しいのですが、鹿肉は全て不味かったのです。
その肉屋さんの息子さんが鉄砲撃ちの猟師で甲斐駒岳の麓で獲った新鮮な肉なのです。
鉄砲撃ちの息子が獲った新鮮な鹿だから美味しいよと女主人が自慢していました。
しかし最近はその息子さんの血抜きや解体処理の悪さを考えるようになりました。
そうこうしている内にその長年親しんでいた肉屋さんの主人が病気になり廃業してしまったのです。はかないです。
さて冒頭に「私は最近、美味しい肉には素人が知らないに隠れた秘密があるのではないかと考えるようになりまた。」と書きました。
その意味はスーパーに並んでいる牛肉も豚肉もそしてラム肉もその解体方法と熟成に隠れた秘密があるのではないかと考えるようになりました。
そして人間の食べ物についての智慧の深さを想うのです。
写真にエゾシカ肉を示します。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)
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1番目の写真は熟成が終わったモモ肉を切っている場面の写真です。
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2番目の写真は切り終わった肩ロースの写真です。
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3番目の写真はローズマリーとともにステーキにしたモモ肉の写真です。