後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

日本はアメリカ文化に侵略されてしまう悲しい現実

2019年05月11日 | 日記・エッセイ・コラム
日本にはアメリカ文化が滔々と流れ込んで来ます。まるでアメリカ文化に日本が侵略されているような気分になります。
今日は身近な一例を描きたいと思います。
あれは1990年の頃、オハイオ州で仕事をしていた時に受けた衝撃でした。コロンバス市のあちこちに広い駐車場があり、その奥に小さな平屋の店があるのです。聞くとコンビニエンス・ストアと言って何でも売っている便利な店だと言います。1990年以前に何度もアメリカに行きましたがこんな貧相な店が広い駐車場の奥にあるのを見たことがありません。巨大なショッピングセンターはあちこちにありましたが、こんな店を見たことがありません。
全てが大きいのがアメリカだと思い込んでいた私はこの小さな店の存在に驚いたのです。衝撃を受けたのです。
それからしばらく経って日本にもコンビニが普及してきました。
しかし日本のコンビニには駐車場がありません。あっても狭いものです。
ところが最近出来たコンビニ店にはアメリカのように広い駐車場がついているのです。
この光景は1990年頃にアメリカで見たコンビニの光景と同じなのです。
懐かしさのあまり昨日、自宅の近くにあるコンビニの風景写真を3枚撮って来ました。





セブンイレブンの2店舗とローソンの1店舗の写真です。
他にもファミリーマートなどの広大な駐車場がありますが少し遠いので行きませんでした。

聞いた話では、東京の郊外で広い駐車場が無いコンビニは売上が伸びないそうです。もっとも人通りの多い駅近辺や繁華街では駐車場は不要だそうです。
東京を離れて山梨県に行くとコンビニの駐車場が更に巨大になり大型トラックが並んで停まっています。

昔の日本では楽しい小売店が沢山あったものです。肉類は肉屋で果物は果物屋で野菜は八百屋で買う楽しみがあったのです。
何でも売っている万屋(よろずや)という店もあり、そこには優しいおばさんがいて話の相手をしてくれました。
このような楽しい小売店が消えたのはアメリカ文化のスーパーマーケットが侵入してからです。
そしてコンビニは日本の小売店のとどめを刺したのです。

私はこのように日本がアメリカ文化に侵略されてしまう現実を悲しく思っています。
アメリカ文化の一つの特徴は「便利さ」にあります。そして全てのことの「コストカット」にあります。この「コストカット」は金銭の節約だけでなく労力を惜しむことも含んでいます。
よくアメリカ文化とヨーロッパ文化は違うと言います。二者の違いはいろいろあるようですがヨーロッパ文化には「便利さ」や全てのことの「コストカット」という精神はありません。不便でも伝統的なやり方を守ろうとします。肉屋もお菓子屋も花屋も昔通りの商売をしています。
以前、ドイツに住んでいた頃、家内が子供と一緒に肉屋に行くのが楽しいと言ってました。行くたびに肉屋のおじさんがソーセージを一枚切って子供に食べさるそうです。子供連れのお客には皆そうするのです。
パン屋や菓子屋もちょっとしたオマケをくれるので、日本の戦前の店のようだと云っていました。子供が喜ぶので買い物が楽しくなるのです。

アメリカ文化には不便でも伝統的なやり方を守ろうとする考えは皆無なのです。
それがアメリカの科学技術を世界一にしているのです。それは重々分かっていますがこの現実を悲しく思っています。皆さまはどのように感じていますでしょうか?

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)