鮮半島、特に韓国の宗教事情を調べてみました。日本の宗教事情とは大きく違ってます。大多数の韓国人は日本人と違って宗教を堅く信じているのです。
韓国にはシャーマニズムから仏教、儒教、キリスト教、イスラム教まで様々な 宗教が共存しています。2015年の統計によると、韓国の人口の44%が宗 教を信じています。
韓国人にとって根強い思想は仏教と儒教で、韓国の遺跡や文化財の半分以 上が、仏教や儒教に関連しています。仏教は西暦372年に伝わり、全国に数万 ヶ所の寺があります。
儒教は朝鮮時代(1392~1910)の国教で、宗教というよりは、忠孝と祖先崇 拝を重視する倫理的な行動綱領に近いと言えます。
死んだ祖先が子孫の成功 に影響を与えるという儒教的な信仰が、良い場所である名堂に祖先を埋葬す る風習を生みました。日当たりの良い韓国の山で豪華な墓をよく見かけるの も、このような伝統のためです。
此処までは理解できますが、日本と大きく違うのはキリスト教の信者が非常に多いことです。以下は、https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9F%93%E5%9B%BD%E3%81%AE%E3%82%AD%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E6%95%99 からの抜粋です。
韓国統計庁の発表によると2005年の韓国においてキリスト教信者は総人口の約3割を占め、総人口の約2割を占める仏教徒よりも数が多く、韓国の宗教人口全体の中でキリスト教徒が最大になっています。キリスト教徒の中ではプロテスタントの信者2に対してカトリックの信者1の割合になってます。ちなみに日本のキリスト教信者は人口の3%以下です。
なぜ韓国でこれほどまでにキリスト教が拡大したのでしょうか?
様々な説がありますが、まず韓国の伝統的な民間信仰であるムーダン(巫堂)というシャーマニズムが影響しているという説があります。シャーマニズムとはシャーマン(巫女)を仲介して神霊や祖先の霊などと心を通わせることです。韓国のプロテスタントは、キリスト教が一般的に忌避するシャーマニズムの神秘主義を取り入れ、これが韓国の風土と合致し、教会の急成長をもたらしたと言われています。
特に教会のマンモス化は宣教のおかげというより、キリスト教がシャーマニズム化され、それが韓国のキリスト教を成長させたそうです(崔吉城『キリスト教とシャーマニズム』)。しかし1970年代以降、近代化に伴い、シャーマニズムが迷信であるとして批判の対象となり、表立ってその儀式を行うことが難しくなりました。
キリスト教とシャーマニズムの合体は日本にはありません。
戦後、キリスト教が韓国ではさらに拡大します。一方、日本ではキリスト教にあまり馴染みがないのが実態です。韓国と日本は似ているようで実は大きな違いがたくさんある隣国なのです。
ところで私はカトリックの信者なので韓国のカトリックを少し詳しく記します。
プロテスタントは諸教派に分かれるので、単一の宗派としては信者数574万人(2016年)のカトリックが最大です。組織的にも最も強固なものです。韓国のカトリック教会は枢機卿が2人、大司教(朝鮮語では大主教)5人、司教(朝鮮語では主教)35人、大修道院長2人です。
さらに神父は5,162人もいるのです。最大の教区はソウルで信者数152万人、次に水原の88万人です。北朝鮮にも沈黙の教会と称する秘密組織が平壌などにあるそうです。
写真に韓国のカトリック教会を示します。出典は、https://architecture-tour.com/world/korea/catholic-yakhyeon-church/ です。
今日は高句麗、百済、新羅の三国時代(4世紀中葉-676年)から朝鮮半島には朝鮮族だったと書きました。そこで韓国の宗教事情を調べました。日本と違って韓国は宗教が強く信じられている事実をご紹介致しました。韓国は日本と違う文化なのです。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)