漆黒の闇から、日の出を迎える劇的な変化をこの極寒の時期にとらえて見た。
星が輝き、氷点下4~5℃冷蔵庫の中のような朝、5時台にデジカメと三脚を下げ家を出て、360°見通しが効く近くの神明台に足を運ぶ。
もとより、人の気配は全くなく、時折眩しくライトを照らす、車が通るぐらいの世界であるが、時間が時間でけに怪しまれても仕方ない、深夜未明の行動であった。
しかし、怪しまれ、咎められることもなく、事前に位置決めしておいた駐車場に向かい、台地の一番東南の縁にある場所で、三脚を立て、カメラ位置を決める。
家を出た時の温もりは完全にすっとび、末梢神経が完璧に別人のように機能せず、三脚にセットするカメラのネジが、中々セット出来ない。漆黒の闇の中液晶モニターを覗き、南東側の水平線に位置合わせ、何とかスタンバイする。
「おお~{{{{(+_+)}}}}寒ううぅ~」
暫くは星と、眼下に入る照明と信号の輝きだけの世界が続き、時の経過を待つが、長袖シャツに薄いパーカーの世界では血流が止まるぐらいに心底から冷え込んでくる。なんとアホなことと思いつつ、体を動かしても、体全体がどんどん冷えて、指の感覚が無くなってくる。
やがて、東南の水平線の彼方から、赤く染まり、段々と面積が拡がってくる。
「お~これだこれだ」とシャッター速度1~2秒程でその瞬間を撮らえ、撮った画像を液晶モニターで、そこそこ映っているのを確認する。
あっと言う間に水平線の赤みが、徐々に黄色の線と周辺が白っぽい色に変化し、漆黒の世界から薄明るい世界に変化するのが早かった。
目の前に繰り広げられる、日の出間際の変化するシーンを逐一撮らえたが写真に在る様な水平線彼方の建物や構造物がシルエットとなって映る姿が一番絵になった。
こうして2005年の幕引き間際の幻想的なショウーは終わった。もう周辺は明るくなったが、凍りついた体は固まったまま、震えが全身を覆いともかく、温もりの世界に飛び込みたかった。