頂き物のイタリア製ワインである。
ワインの中身より、入れ物に秘めたる隠しわざが備わっている。
ご覧の通り、入れ物が「ピサの斜塔」を表しガラスの入れ物の表面が丁寧に塔の形状をしている。
入れ物の頂部から紐を垂らし、垂直を表しているが、入れ物の瓶はご覧のように斜めになって立っていることが判る。
これ以上の傾斜を付けると瓶が倒れる可能性があり、計算づくめで目視で判る位に傾斜を付けている。
瓶そのものは垂直であるが瓶の底に付いてるキャップでこの傾斜を付け、あたかも瓶が傾いてように納まっている。
まあこれで「ピサの斜塔」を表したこのワインの特徴である。
しかし、この瓶は未だ笑える、隠しわざが備わっている。瓶の底に付いているキャップはワインの色と全く同じである。瓶にワイン満たされているとキャップとワインの識別が出来ず、瓶の底に僅かなワインがあたかも残っているように見える。
僅かなワインをグラスに注ぐべく、瓶を逆さまにしても、底部に溜まったワインが中々出て来ない。此処で初めてキャップであることが判り、この瓶に騙されるのである。
実に良く考えられた「ピサの斜塔」風のワインの入れ物で、ウイットに富んだイタリア人のアイデアであった。
ワインに多少の酔いも手伝って、このからくりの罠にはまってしまった。
お店に行っても、夥しい種類のワインに値段もピンキリ、果たしてどれがお薦めと言われても選別に苦慮する。群雄割拠のワイン戦争、中身とも併せ、こうしたアイデイアも販売戦略かな