近代的な設備を持ち、市内で唯一の総合病院として、市民の体を守る、大事な施設である。
◇専門医不足による混乱
ところが「市民に信頼され、選ばれる病院」という病院基本理念は大きく揺れている。
昨夜(4月14日)ふとTVのニュースをみていたら、当病院の院長さんが、インタビュアの質問攻勢の中に呆然と失念したようにインタビュウーを受けていた。
常勤の小児科医の先生が3人体制で維持されていたが、そのうちの2人が3月まで退職、残り1人も6月に退職という、深刻な状態にあり、担当窓口に予約は×の張り紙がリアルに映し出されていた。
現在233人の出産予定しているが、同病院では出産出来ない可能性もあり、他の病院への受け入れを紹介するぐらいに深刻な状態を迎えている。
元より、小児科医の補充は予定しているようではあるが、思うように集まらず、見通しの見えないまま、大病院のメンツもかなぐり捨て、当面の対策に、門を閉ざすことになってしまったようである。
過酷な労働環境、医療責任など直ぐに訴えられる社会環境などリスクの多いものだけに小児科医になり手が少なくなってしまったのだ。
過疎化が進んだローカル都市で、産めたくても、産められないと云う事態は報じられていたが都心の近郊都市での足元でまさかこんなことに成っているとは思えなかった。
新しく病院は建てられ、町医者にはない高度な医療施設を持ちながらも、判断するのは専門医であり、その専門医が居なくなるという事態は防げなかったのであろうか・・・。
少子化対策と言いながら、生まれるべき環境がこんな状態では益々、出産不安に、陥ってしまい、益々この国は淘汰されてしまうのではと心配である
後期高齢者などと残酷無知なネーミングで差別をつける保険制度も非難の嵐の中、4月から事務的な扱いで施行され、腹を立つが、大事な生命の誕生まで脅かされる、益々住みづらい世の中になってしまった。
◇悲痛なメッセージ
そんな中で医療制度改革の渦に病院再編、診療報酬の引き下げなど病院経営は厳しい状況にあり医師、看護師不足など深刻な状況にある。
「外来の患者様へ」と病棟でこんな悲痛なメッセージがあった
平成18年度は、内科医師の退職や異動のために内科医師が減少する。
当院は2次救急病院なので昼間は救急外来での救急診療、重症患者の対応を優先して行い、軽症の方は開業医の先生にお願いする病診連携の体制をめざすため、医師の欠員で補いきれない再診外来は一部閉鎖になる。
従って予約外で軽症の患者は待ち時間が長くなるので、高血圧、かぜ、高脂血症などの診療は開業医にかかり、専門性や重症度のため、当院が必要の場合のみ紹介で受診するようお勧めする。
・・・とまあこんな風に、膨大な患者数に対して、受け入れ体制が限られているので、なるべく他のお医者さんに見てもらえと言うお願いでもあるようである。
◇現実は限界状態、唯待つだけ
こんな受け入れ体制から、往診を受け、次回の予約を取って行っても、ともかく辛抱強く待ちの姿勢で望まないと、普通の感覚ではイライラは極限に達する。
アルファベットで予約番号は一応システマチックに管理されているが 一人の医師が担当する患者は約200名と休む暇なく、フル稼働状態で裁くのが精一杯の限界状態にある。
こんな過密なスケージュールの中で、十人十色の患者さんを果たしてどこまで、深い入れした診断が可能であろうか、人間のやることだけに素人目にも、限界と思わざるを得ない。
専門の検査を受け、2~3時間待ちの挙げ句のはて、カルテの検索含めその間1~2分の瞬間往診、果たして何処まで、信ずるべきか、不安になってしまった。
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