国を揺るがす3.11地震は総てを狂わしてしまった。家の上に乗り上がってしまった船、車の上に車が重なるなど、物凄い爪痕に未だ、先の見通しが立っていないのが現実の世界である。
よもやの大惨事も予想されず、3.11以前にクラブツーリズムの企画の、のんびり列車旅で千葉の成田山に参加した。
御参りをしてきたがその後にとんでもない凶事が生まれてしまった。まあ、たまたまの偶然の凶事であって、神仏のお怒りは全く根拠のないことと思いたい。
そんな旅の思い出を腐らないうちに、引き出しからそっと引き出してみた。
旅と言うと目的地まで地図と首っ引き、何処をどのように走るか、運転プランを練る。自分の手でハンドルを裁きながら、車の流れを読み、全神経を傾注してドライブも楽しいが、事故のリスクを背負い走らせるのも年老いたせいか、結構疲れを感じるようになった。
そんな車から離れ、たまにはと鉄道旅であった。車を乗り回して以来、余り鉄道を利用しなかったが、何年ぶりであろうか、新鮮な気分での千葉の成田山までの列車に身を預けた。
JR中央線の、立川駅で、お上りさん宜しく、クラブツーリズムのかなり太めのおばさんの翳す旗のもとに当日の参加者が集まり黒山の人だかりであった。引率されるままホームに向かうと、何処からやってきたのか、この日のために動員されたのか、見るからに使いこなした
車両であった。第一線から退いた古参兵の特急車両が「回送」の案内板を付けてホームへ入線する。別に華やいだ雰囲気も無く、乗るお客も殆どが時間に余裕を持つじいさん婆さんなので、それに合わせたとは思わないが、如何にも古くさい車両に、粛々と乗車する。
◇専用お召し列車
の専用お召し列車は決められた団体を乗せる駅だけ止まり、それ以外は止まらないノンストップ列車である。中央線から総武線、更に房総東線に乗り換えなしに、乗っていける贅沢な列車である。
ノンストップと言うと如何にも早そうな感じがするが、同一路線で大事な定期電車を優先にダイヤが組まれているため、その隙間狙いで遠慮して走っている。そのため、やたら停まるのも、急がず、焦らずの、時間に追われる事のないのんびり旅の特徴である。
車内販売は全くなし、通路を挟んで反対側、ツアーに参加の高齢のおばあさん、徐に缶酎杯を空け、気持ちよさそうに飲んでいる。隣に相方が居ないのは寂しそうに見えるが、余計なお世話、一人宴会モードは朝から既に始まっている。
飲ん兵衛の一人として、その飲み振りをただただ羨ましく眺めるだけであったが、車内販売もなく、此処は我慢の子であった。
車運転の酒は絶対の御法度であるが、列車に身を預け、適度なアルコールに依る心地良い酔は車にはない解放区である。
お召し列車側が走り出して 間もなく、暫く時間調整で立ち止まる。車窓から電車待ちの通勤・通学客がホーム一杯に立ち並ぶ姿が嫌でも目に入る。ホームからこの列車は何だろうと奇異な視線を浴びながらも、何の拘束もなく、ゆったり感はささやかな贅沢気分であった。
◇物凄い参拝客
お召し列車は成田に到着し、300人近い集団が列車から一気に吐き出される。バスツアーであればバス10台分相当の大キャラバン隊である。
駅前を埋めつくすこの集団始め、他から来る参拝客に、参道から境内迄の人々の渦に圧倒される。
元々成田山参拝客輸送を狙った専用鉄道として、このJR成田線と京成電鉄があり、年間300万近くの参拝客を背景に賑わいを見せている駅である。
三大不動の一つである成田山新勝寺。同じ不動でも高幡不動しか知らない拝に、この人の渦にお登りさん気分で一気に吸い込まれてしまった。
そんな旅巡りは此処で案内
成田山新勝寺
『♪行ってみたいなよその県~』
もちろんビール片手に鱈でもつまみながら心地よい揺れに身を任せ独り旅。。。
かれこれ十数年。単車でいわき⇒会津若松⇒新潟市⇒柏崎⇒六日町⇒東京を一日目と最終日以外一般道で周って以来出かけていません(T.T)
紛れもなく、まさに鉄子さんだ~
通勤、通学客の混む中、優雅に座席に身を任せ
ほろ酔い気分なんて~のは、贅沢・・・。
それにしても、クラブツーリズムに300人も集まる人気。凄い!!
白馬(単車)に跨がり、さっそうと乗り回す、恰好良い姿を思い描いています。