575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

風物詩なんて言っておられない   鳥野

2008年03月04日 | Weblog
ベランダから見渡す遠景が何時になく濁っています。
気象庁はこのところ盛んに、黄砂の情報を流し、車の運転や洗濯物に注意するように、呼びかけています。

天気予報のネットを開けば、実況図だの予測図だのが、恐ろし気に表示されています。

黄砂が、これほど苦になり始めたのは、いつごろからか。
青空駐車の車のフロントガラスの汚れに驚いて、洗車したのは、せいぜい数年前からのことでした。

環境汚染、異常気象、などが激化の原因と言われていますが、発生地の砂漠や高原での凄まじさは、いかばかりか。
人や家畜の窒息死、農作物の大変な被害なども伝えられています。

俳句では、霾、つちふる、黄砂、つちぐもり、胡沙などが季語。春の風物詩になっています。

 ・ 黄砂いまかの楼蘭を発つらんか 藤田湘子

 ・ 太陽を遠きものとし霾ぐもり 浅利恵子

 ・ 長城の表裏山河ぞ胡沙に立つ 加藤楸邨

   ・ 黄砂越し白銀色に沈む陽をひととき遊牧民の眼差しでみる

   ・ 見の限りを濁り色にして霾降らせ砂漠の伝言運ぶ西風   鳥野
コメント (1)
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