母親が好きで「うど」がよく食卓に出た。
昭和三十年前後で、好き嫌いが言えるような時代ではなかったが、こんな味気ない食べ物があるものだと感心したくらいであった。
味噌をつけてかろうじて呑み込んだ。
さすが齢を重ねた今はその味わいが分かるようになった。
若芽の天麩羅、ぬたや酢の物、和え物、煮付け、皮のキンピラ歯ざわりが何ともいえず楽しめる。
栽培は古く江戸時代の「本朝通鑑」に路地で盛り土をして白く柔らかな軟白栽培が行われていたと言う。
現代ではヤマウドが好まれるためわざわざ日光を当てて緑化してヤマウドと称して販売していることも多いそうである。
雪間より薄紫の芽独活かな 芭蕉
独活の芽に鋭き五官もてあます 長谷川かな女
山独活やひと日を陰の甕の水 桂信子
山独活のひそかなる香の我が晩餐 有馬朗人
昭和三十年前後で、好き嫌いが言えるような時代ではなかったが、こんな味気ない食べ物があるものだと感心したくらいであった。
味噌をつけてかろうじて呑み込んだ。
さすが齢を重ねた今はその味わいが分かるようになった。
若芽の天麩羅、ぬたや酢の物、和え物、煮付け、皮のキンピラ歯ざわりが何ともいえず楽しめる。
栽培は古く江戸時代の「本朝通鑑」に路地で盛り土をして白く柔らかな軟白栽培が行われていたと言う。
現代ではヤマウドが好まれるためわざわざ日光を当てて緑化してヤマウドと称して販売していることも多いそうである。
雪間より薄紫の芽独活かな 芭蕉
独活の芽に鋭き五官もてあます 長谷川かな女
山独活やひと日を陰の甕の水 桂信子
山独活のひそかなる香の我が晩餐 有馬朗人