575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

荻原教室便り    遅足

2008年04月20日 | Weblog
荻原教室、先回の宿題は「四月」と「朧」
私の句と先生の診断を紹介します。


「四月」

 寡黙なる四月の雪の腐臭かな

四月の雪、といえば名古屋のような平野では珍しいもの。
四月の雪は寡黙というのは、二月の雪はおしゃべり、
というのに対して有り得るので問題はない。
問題は雪の腐臭。
抽象的な表現、それ自体は悪くない。
暖かくなって雪の賞味期限が切れてきたのかな?と
読めなくはないが、謎が残る。

四月の雪は寡黙ということで、読者は小さな謎をかけられる。
さらに雪に腐臭があるいう大きな謎が重なると、
読者は、なにが句の焦点なのか、分からなくなってしまう。

四月の雪が寡黙で、充分一句が成り立つ。
高山では、春になって、雪がぐしゃぐしゃになることを
雪が腐る、というのなら、それで一句つくるのが良い。

そこで、2句に分けてみました。

 寡黙なる四月の雪を待ってをり

 奥飛騨の里雪腐り始めたり

    

「朧」

 また一人朧童子となりにけり

朧童子という造語が句の鍵。
本当の子どものことと読むと、また一人、がよく分からない。
どういう景なのか、納得しにくい。
作者が、句を頭でつくって、具体的な裏づけを持っていないと、
読者も「読めた」という実感が持てない。

また一人、が謎。朧童子が2つ目の謎。
この句も読者に2つ謎をかけている。

そこで謎をひとつ消しました。

  ドアを開け朧童子となりにけり

推敲の結果はまだ不十分ですが、
おかげさまで、前よりスッキリとなったと思います。
先生ありがとうございます。



コメント (1)
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