575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

7月句会の結果です。    遅足

2008年07月17日 | Weblog
暑い名古屋!のせいか?少し少ない参加。
7人でいつものオシャベリ句会。

信号にかまわず渡るパナパ帽

パナマ帽をかぶった人物はいくつ位なのか?
など、人物像で盛り上がりました。

   

夏帽子

①鬼百合やリフトに揺らぐ夏帽子(立雄)童・静
②麦藁帽なし疥癬の敗戦日(朱露)愚・遅
③夏帽子波打ちぎわに置き去られ(光洋)立
④疎開地の空ただ青き夏帽子(愚足)鳥・童・亜・立・晴・静
⑤夏帽子打ち振る湖上船速し(亜子)能・郁・晴
⑥夏帽子あごのラインの美しき(能登)狗
⑦信号にかまわず渡るパナマ帽(晴代)能・朱・鳥・遅・麗・亜・静
⑧病床にそっと置かれし夏帽子(童子)能・遅・愚
⑨夏帽子避暑地の恋が始まれり(麗子)朱・狗
⑩ラッシュアワー傍若無人夏帽子(狗子)朱・晴
⑪夏帽子飛ばし変身!ヒーローに(郁子)麗
⑫遊ぼうと厨のママに夏帽子(静荷)鳥・郁・亜
⑬それぞれの空を持ちたり夏帽子(遅足)愚・童・麗・郁・立


自由題

①ハローワーク異界が口を開けている(童子)愚・遅・狗・麗・郁・亜・立・静
②夜濯ぎの軋みの音に目覚めけり(愚足)朱・晴
③相輪を突き出て飛んで天の川(光洋)遅
④足元を夏風が巻く石廊崎(朱露)鳥・童
⑤もろこしの礼儀正しき小宇宙(郁子)静
⑥曙光まさに富士雲海に一閃す(立雄)愚・鳥・静
⑦七月のマリンバの音軟らかく(麗子)鳥・狗・晴
⑧泥のなか白さ極めし蓮華かな(能登)
⑨経済の洋書置いてある夏座敷(狗子)童・遅・麗
⑩雷鳴やマーラーを聴く昼下がり(静荷)亜・立
⑪短夜を寿限無寿限無と口移し(亜子)能・晴
⑫日盛や守り袋の落し物(晴代)能・朱・愚・童・郁・亜
⑬あの世からこの世へ通う昼寝覚(遅足)能・朱・狗・麗・亜・立

   

次回は8月20日(水)午後6時  安田屋
題詠は「風」です。

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音の俳句    麗

2008年07月17日 | Weblog
今、エッセイスト三宮麻由子さんの「そっと耳をすませば」(集英社文庫)を読んでいます。
以前もこのブログで紹介したことがありますが彼女は4歳の時に視力を失います。
アメリカに留学したり翻訳の仕事をしたりとその好奇心にはいつも励まされています。
そんな彼女が句会デビューをした様子がこの本の中に書かれていました。

     ドアベルの変わりし茶店夏立てり

     山の端や鳥声までも夏の色

などやはり音を中心とした俳句が心に残りました。


     初鴨ににらみ返さる双眼鏡
この句を作られた時見えないのにどうしてわかるんですか?と聞かれたとのこと。
これはそばにいた鴨ウォッチャーが
「向こうを見たらカモににらみ返されちゃった」
と言っているのを聞いて作ったそうです。
自身が双眼鏡をのぞいたわけではなかったのでした。
著者は俳句作りに視力の有無は関係ないとおっしゃり、
まさにその通りだと思います。

来月の兼題は「風」「秋風」となりましたが
三宮さんの俳句には風の句が多いのです。

    月食の空より来る秋の風

    風絶えて山眠らんとする気配

    風流る音の速さや天高し


雑音の多い世の中ですが
私もこれからそっと耳を澄まして俳句を作れればと思います。麗

コメント (1)
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