575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

ヤエムグラ(八重葎) 草女

2009年04月24日 | Weblog
 高遠の桜を見に行くことができた。満開は過ぎてはいたもののまだ十分に美しく、そして小さなピンクの花びらがはらはらと散ってくる。渋滞を避けたため高遠のお城に夕方近くに着いた。
高遠の桜は、マメザクラまたはキンキマメザクラとエドヒガンの交配種で、平成2年高遠で開かれた「国際さくらシンポジュウム」でタカトウコヒガンザクラと命名されたという。城址公園全体がピンク色に染まっている写真をみたことがある。
 歩いていてはあの俯瞰の景色をみることはできないんだとか思いつつ登って行った。                                    すると、えっなに?という植物があった。その地面だけ紐でしきられていて、ムラサキハナナと20cmくらいの背丈で白い花を上から下間で付けている草がある。思わず駆け寄って、笑ってしまった。ヤエムグラに桜の花びらがいっぱいくっいているのだ。
幼い頃、ヤエムグラを見かけると、摘んで服にくっけて遊んだ。アカネ科ヤエムグラ属の1~2年草でどこにでもはえている。茎に4稜があり、稜の上に並んだ下向きの刺でものにひっかかり、成長する。その刺で桜の花びらをひっかけていたんだ
 万葉集など和歌に詠まれている八重葎はいまのヤエムグラではなく、カナムグラ(クワ科カラハナソウ属)をさすというので、かねがね変だとおもっていた。ところが和歌を読みなおしてはたと気がついた。
 八重むぐら茂れる宿のさびしきに 人こそ見えね秋はきにけり (恵慶法師)
 ヤエムグラは春の草で、カナムグラは夏の終わりのころ草だもの、これで納得。
 これもブログを書くために調べたおかげである。

山賤のおとがひ閉づる葎かな       芭蕉 
揚羽とぶ花ぬれてゐるむぐらかな     飯田蛇笏 
葎のみ茂り戦跡崖残す           北野民夫
高遠のむぐら一面花衣           愚
コメント (2)
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