575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

吹き荒れてささくれつつも夏来る   朱露

2009年04月27日 | Weblog
      例年のことながら春の終りは吹き荒れる。 
      風が西に変わった快晴の空も吹き荒れる。
      強風の往復ビンタで私の心が吹き荒れる。
      遂に空一面が唸り人を虚無に誘い入れる。

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ゆく春や蓬が中の人の骨

2009年04月27日 | Weblog
 週刊日本の歳時記で大岡信氏が晩春を詠んだ句として挙げている名句の一つである。
 作者は江戸時代後期・俳諧中興期の女流俳人「榎本星布」である。
 時は天明、大飢饉の時代である。

 「暮春の原野に旺盛に生命力をみなぎらせて蓬が生い茂っている。あたりには、極寒の中で餓死した人々の骨が散らばっている。
 俳句では、まして女流俳人では、詠み得た人は稀だった主題だろう。いな、近代になってからでもまことに稀有な句である。」

 と大岡氏は結んでいる。   (愚足)
コメント (3)
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