グアバ 草女

　石垣島で昼食のためにはいったのは店の周りに植物がたくさん植えてあるレスト
ラン（といえるかな？）。カレーライスができるまでそれらの植物を見ていたら、椰子の葉で作った蓑や笠を着、庭仕事をしていたおじいさんと気があってしまった。おそらくはオーナーであろうその人は娘さんが愛知県に住んでいるという縁に、親近をおぼえてか庭のグワバを取ってくれた。甘い香りにすっかりその気になった私は、厨房に頼み込んでカットしてもらった。
フトモモ科（中国名のプータオが沖縄で転じてフートーとなり、それが本土伝わ
てフトモモになったという）の植物でバンザクロ、バンジロウともいわれ、そのまま食べたりジュースやゼリーにされている。そこまでの知識はあったが、食べるのは初めて。かすかに甘いが、ねっとりした舌ざわりがアボカドをおもわせるがおいしくない。十人の仲間はみんな一切れは食べたけど、次の手が出ない。立場上、二切れは食べたけれどもうだめ、でも残せないという窮状を救ってくれたのは連れ合い。全部食べてしまった。「あんたは偉い。」
　　帰ってから、図鑑やネットで調べると、グアバではなくフトモモの実のような気がする。ともかくもう御馳走様、もういらない。
名古屋では、分厚い上着が要るのに、石垣島では、冷房が要った。花は咲き、蝶
が舞っていた。果物も違うのは当然。日本は広いというか長いということを舌が実
感。
　　　　ヤマトンチューの品格かけてグアバ喰う　　　　ぐ

　　　　美味不味はまず横に置きグアバ喰う