575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

荻原教室・近況報告(8)   鳥野

2009年04月21日 | Weblog
お約束の荻原教室レポート、遅くなりました。
早いもので、8回目になります。

先生の指導は相変わらず懇切丁寧。「はじめての短歌」教室もそれぞれが上達、個性が出てきました。

続く題は、形容詞系で、語尾が活用もするし、単独で述語にもなるし、結びついて名詞としても使える一字。

応用範囲は広いと言うものの、受講生は苦労して、それなりの作品に詠みました。

 「題」は、新、遠、近、早、深、濃、淡、甘。

先生のお作

 ・ 月のひかりは似ていてもどこか新しく夜がこんなにまで深くなる

 ・ 父よりも遠くを見ずに過ごす日がまた来るのだと告げてあなたは

 ・ 恋に近いのだけれど恋になりきらぬままにひかりの梅林をゆく

 ・ 早さから粗さ生じていることに気づけば誰もいないゆうやみ

 ・ 溺れるほどの深さはあるが深みのない青で塗られている街の底

 ・ ところどころ濃さの異なる闇が来て若くてもひとに死は来る

 ・ 誰か羽化したなごりのやうに公園の空壜に淡く日がさしてゐる

 ・ 極彩色の駄菓子の甘さ目にしみて級友たちのその後を知らず
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春大荒れパソコンの指狂う朝   朱露

2009年04月21日 | Weblog

    理屈がわかっていて押す指ではない。
    平常心が失われれば忽ち馬脚を露す。
    心が掻きむしられる電線たちの悲鳴。
    息子どもに電話するのも忌々しいし。 

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