575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

オーニソガラム・アラビカム        草女

2010年05月07日 | Weblog
 その切り花を、桑名のはな広場で買ったのは、4月25日。純白で6~8枚の星型の花
は我が庭のオオアマナに似ている。庭のオオアマナは草丈が10㎝ほどで、日光が当た
れば花開くがそうでないと1日中での閉じたままでとても切り花にできない。ただも
う何十年もほうておかれても毎年律儀に芽を出し早春から白い花をさかせる。最近似
た花を花屋で見かけるなあと思っていたので気前よく買ったというわけ。

 調べてみると、オーソニガム・アラビカムという名前で和名はあってクロホシオオ
アマナだ。雄しべに囲まれた雌蕊が大きく黒いから和名は花の様子を表している。花
は平たく押し込まれたような蕾の周りを取り囲むように咲く。1輪の大きさは4㎝位
だから純白で豪華であり、ブーケの人気というのも頷ける。これによく似ていて蕾が
穂状に立ち上がるオーソニガラム・シリソイデスがありいま花屋にはこちらの方が多い
とおもう。残念ながらこちらには和名がない。

 とり上げた3種類の植物は全て外国産、南アフリカや地中海沿岸が原産地で輸入の
早さが手に余るくらいなので和名がなく、学名が花の名前になっているものも多い。

 産地で買った花は長く持つと思っていたのに、4月下旬にもう元気さが感じられな
い。なにさとぼやいていたら、5月になって驚く変化をみせた。ゴールデンウィーク
の暑さの中、平たく押し込まれていた蕾の茎がどんどん伸び、全部の花が開いたのだ。見
事な円錐状の花穂になり、黒かった雌蕊が翡翠のような緑になった。それまで余り香
らなかったのに玄関中香りで一杯になった。今までも植物の力に尊敬と畏怖の念を抱い
てきたが、これには吃驚した。

 オーニソガラム・アラビカムは満開になると急速に枯れ始め、11日め処分した。こ
れでユリ科の花の匂いに弱い家族との摩擦はさけられたが、植物の持つ力のすごさを
再認識した。舌を噛みそうだし、覚えらると思えない名前だがこの花はずうーと心に残
るだろう。

コメント
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