575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

トマトの味         愚

2010年06月28日 | Weblog
 トマトが好きだ。
 甘くもなく酸っぱくもなく、ただそれだけのものである。
 少年のころ夏になるとおやつはトマトだった。塩を振りかけてかじりつくとお腹が満たされた。スイカは、たまにしか口に入らなかったが、トマトはその時期母にたのべば何時でも食べられた。
 しかしその頃のトマトは皮が厚く、香りもきつかったと思う。

 今もどこかに行ってトマトを見かけるとついつい買ってしまう。
 確かにトマトの味や香りは薄くなったと思う。

  滝壺や冷やしトマトの一つ逃げ     草間 時彦

  楽しみの一つに朝のトマトもぐ     鈴木 花暎 
コメント (2)
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白鷺が水の眼をつつきけり   遅足

2010年06月28日 | Weblog
船団・星野ドクターの診断です。

水の眼が難解かもしれません。
水に映った白鷺自身の眼、
或いは水中の魚の眼、何かの水輪……。
けれども、白鷺がつついた所を
「水の眼」と断定したところに
この句の魅力があると思います。

静かな水面を白鷺がつついた。
作者はそこが「水の眼」だから、と言うのです。
そのように見ると、
白鷺の餌である魚を養っている湖(或いは池)
全体が一つの大きな生命体のように思われますね。

  (ありがとうございます)


        
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梅雨雲が切れて薄日の思わせ振り    朱露

2010年06月28日 | Weblog


     西の空は明るいが東の山は雲で見えない、
     と書いた途端に東の窓越しに朝日が差す。
     驚いて首を出すと雲の大群が東へ移動中。
     裏山で小綬鶏が「チョットコイ」と喚く。

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