575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

梅林に烏呼ばわる曇りかな  結宇

2011年04月03日 | Weblog
この梅林は白梅でしょうね。
梅の白と烏の黒。その背景が一面の曇り色。
墨絵のような世界に烏の呼び交わす声が・・・

梅は、中国から伝わったもの。
梅の花をめで、風雅を楽しむということも、
中国から学んだことのようです。

梅より前に、貴族に好まれた花が菊。
皇族出身で左大臣だった長屋王は、ことに菊を好んだと言います。
しかし藤原氏に敗れ、謀反の罪で自死。
その罪状には、菊を栽培したことも含まれていたとか。

この政治的な事件の影響で、菊はしばらくの間、
詩歌の世界から追放されたそうです。
替わって登場するのが梅の花だったとか。
    (季語百話・高橋睦郎より)

花という宿題に、この一句。
独特の心象風景ですが、この暗さは、どこから来るのでしょうね。
曇りを白さ、としたら?

   梅林に烏呼ばわる白さかな

どうでしょうか?少しは明るくなるかな?

                  遅足

   


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人の居る気配楽しき春の池    朱露

2011年04月03日 | Weblog
     桜並木の莟が膨らみ柳の若葉が戦ぐ。
     人の気配とは釣り糸を垂れる老人達。
     圧倒的にヤカマシイのは水鳥の類い。
     揺れる東京から来た娘と三人で歩く。

              

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