575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

黙阿弥の科白つぶやく朧かな  晴代

2011年04月28日 | Weblog
庭の緑もだんだん濃くなってきています。
梅の実、サクランボの実、苺などが
少しづつ大きくなってきています。

さて、この句で思い出すのは

月もおぼろに白魚の・・・の名調子。
河竹黙阿弥の「三人吉三廓初買(くるわのはつがい)」
そのなかの有名なお嬢吉三の台詞。
もう少し続けると。

 月も朧に白魚の篝も霞む春の空
 冷てえ風もほろ酔いに心持ちよくうかうかと
 浮かれ烏のただ一羽ねぐらへ帰える川端で
 竿の雫が濡れ手に泡思いがけなく手に入る百両

七五調。内容もさることながら調べで聞かせます。
作者が、朧といえば、この名台詞が浮かぶのも頷けます。

近代に入って俳句も短歌も内容を重視。
調べが、少しなおざりにされたキライもありましたが、
コトバ遊びを支えているのも調べのよさでしょう。

私は、白波五人男の台詞かと思っていましたが、三人吉三でした。
教養のないところが露呈してしまいました。
                     遅足
コメント (1)
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