京都の北、いわゆる京北にある常照皇寺(じょうしょうこうじ)。
秋の紅葉と春の桜が有名。
時は春・・・先日、ここの九重桜を見にいきました。
国の天然記念物にも指定されているこの桜。
八重桜かと思いきや・・・
薄紅色の枝垂桜で、一重の小さい花しか咲いていませんでした。
写真は、部屋のなかから見た九重桜です。
花の盛りは、ちょっと過ぎていました。
この寺は、南北朝時代の光厳天皇が開いたもの。
九重桜の名の由来は、天皇の后、九重の君からきているとか。
北朝の最初の天皇になった人ですが、
南北朝の政争を嫌い、この山里へと身を移しました。
南朝の後醍醐天皇は南の吉野。
これに対抗して京の北に隠棲したのでしょうか?
政治家としてよりも、歌人として有名で、「風雅集」の撰者でもあります。
風雅集の歌は、「自然描写はより繊細に、風趣はより閑寂に、
心理表現はより内省的になる傾向を見せ・・・」
と、解説書にありました。
天皇の歌を一首
くれはてて色もわかれぬ花の上に
ほのかに月のかげぞうつろふ
陽射しがなくて小寒い感じでしたが、
ちょっと雅な(?)気分にもなった一日でした。