575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

ガマと月桃   鳥野

2012年07月03日 | Weblog
夏の盛りは、負け戦のさかりでした。
大本営のウソにウソを重ねた発表も底をつき、日本全体が焦土。
非戦闘員を巻き込んで、悲惨を極めました。

最も苛酷だったのは国内唯一、地上戦の戦場となった沖縄。

学徒隊として動員された少年少女。中でも看護要員となった女子学生の
苦難は「ひめゆりの塔」として、よく知られています。

生と死に直面しながら、根の限りを尽くし、240名中、終戦まで生き延びた
のは、たった5人。

配属されたのは野戦病院第3外科。沖縄特有の石灰岩の洞窟、ガマが当てられていました。

その周りに咲いていた月桃。美しい名を負った凛とした花です。

 ・ 第三外科のガマの廻りの月桃はいま盛りならん便りなけれど

                       鳥野
コメント
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